フリーランスとして活動をすると、業務委託契約を会社と結ぶこともあるでしょう。業務委託で働くとなれば、勤務前の契約は欠かせません。事前に業務委託の基本契約書を交わすことになると思います。実は以外と知られていないことが多い基本契約書。そこで、基本契約書の真相についてお伝えいたします。
お金をもらうなら、契約書は欠かせないけど……
フリーランスで働いている人であれば、よく耳にするであろう「業務委託」という言葉。会社の下で働くのではなく、契約を結んで仕事を委ねられ、任されることを言います。
現代は働き方が多種多様になり、きちんと通勤して働くサラリーマンのような生活をしている人ばかりではありません。業務委託の仕事を本業にして、自由な時間を手に入れることができている人も大勢います。
これから業務委託の仕事をやろうと考えているという方、「ただなんとなく話を聞いて、契約すればいいや」と安易に考えてはいませんか? しっかりと注意しておかなければならないことがあるのです!
「業務委託契約」は実は法律上に存在しない!?
法律にないってことはマズイんじゃないの? もしかして架空の契約を結ばされようとしてるの? と混乱してしまった方、少し落ち着きましょう。まず、業務委託契約ですが、そもそも「業務委託」を直接に定義し定めた条文はありません。
ですが現実には、「業務委託契約」「基本契約」等は実際に行なわれていますよね。民法には、「委託」という言葉は出てきます。委託という定義に定められた契約形態を、契約する双方で話し合い、それぞれの仕事内容によって細かい部分を決定するのです。
委託と一口にいっても、私たちの生活の中には様々なシチュエーションがあります。それを網羅するため、今は13種類の委託形態に分けられているのです。
これらの中から、今の自分たちが結ぶ契約にもっとも近い形態を選ぶ。これが現在の「業務委託契約」の現実となっています。
それじゃ、基本契約書ってどういうもの?
基本契約書は、例えば業務委託が一度きりで終わる契約ではなく、これから何度も取引することがあらかじめわかっていて、それが長期に渡って続くような時に取り交わします。
ちなみに基本契約は、売買の取り決めや請負の仕事の時など、他の状況の時にも交わされることがあります。何のために基本の契約を結ぶかというと、できるだけシンプルにかつ簡潔に書類を取り交わしたいから。
これから長く付き合っていく中で、細かな業務ごとにいちいち契約を結んでいては、書類であふれかえってしまいます。信頼関係を結びながら、スムーズに仕事を遂行させるためにも必要なものなのです。
必読! 契約書を取り交わす時は個別契約も一緒に
まず、契約書を作るとき必要となるのが印紙です。3か月以上続いていく取引等の時には、一律4,000円の印紙が必要になります。そして一番大事と言っても良い、お金のことに関しての取り決め。
実は、基本契約ではなく、個別契約で決めておくのが通常のやり方。報酬や支払いが、状況により多くなったり少なくなったりする可能性があります。
たくさん仕事をしたのにもらえる金額が変わらないとなれば不服ですよね。個別契約書にしておけば報酬の増額がスムーズにできるので安心できます。
契約書で、自分の仕事とお金を守れ!
基本契約書や個別契約書で大切なのは、安心できるまで細かいところをお互いに話し合うことです。たかが紙切れと思っていると、大変なことになります。差し出された契約書をきちんと読んで把握しなかったばかりに、不利な状況になる可能性も。
「仕事をしたのにきちんと報酬をもらえなかった!」こんなことになっては、涙が出てきてハンカチが何枚あっても足りません。 好ましくない取引先とは関わらないのが一番ですが、もしも遭遇してしまった場合、それを見極めるのは自分。
そして信頼できる取引先との関係を続けていくのも自分次第です。契約書に目を通し、しっかり仕事の対価をもらえるようにしておきましょう!