在宅ワークやフリーランスにとって、契約書の有無は生命線

在宅ワークやフリーランスにとって、契約書の有無は生命線

皆さん、契約書って作成していますか? 家や車を購入するときの話ではなくて、フリーランスとして仕事を請け負う場合のことです。実は多くのフリーランスが、契約書を取りかわさないまま仕事を進めているとか。

結果としてトラブルにならなければ、それは常識のあるクライアントだったので良かったですね。悪意のあるクライアントに捕まってしまって、報酬が支払われないとか、裁判沙汰になったら、お金はもらえないどころか裁判費用が飛んでいったり、そこにかける労力がもったいない。フリーランスなら、フリーランスだからこそ、契約書の意義を知っておきましょう。

契約書を作れる在宅ワークを目指そう

在宅ワークを始めた人は、仕事を取ってくることに必死になり、つい口約束で仕事を進めてしまうというパターンが多いと言います。でも、これはとても危険なことだと知っていましたか?

蓋打ち合わせの時にはとてもいい感じだったのに、仕事を進めていくうちに、担当者が豹変なんてこともなきにしもあらず。また、蓋を開けてみると仕事の分量が膨大で最初の話しと全然違ったり、納期も守りちゃんと納品しているのにも関わらず、お金が振り込まれないなんてことも。

そうなった時に、契約書がなければ在宅ワーカーは泣きを見るはめになります。そのようなことを防止するためにも、契約書は面倒がらずに、作り交わしておくことがベストなのです。

契約書を作ることなんて得意な人は少ないのです。なので、ぜひここで自分の身を守る術を学んでみてはいかがでしょうか。

仕事に「以心伝心」を求めてはいけません!

契約書ってそもそも何のためにあるの? と思っている人もいるかもしれません。在宅ワークを始めてから、もし、順風満帆にいい人にしか巡り会わず、幸せにフリーランス生活を送っているならば、あなたはとてもラッキー!

でも、次々と新規開拓し、仕事を受注していくならば、多かれ少なかれ中にはハズレ案件に出会った人もいるはず。

日本人の場合は、欧米の文化に比べると曖昧にコトを済ませてしまう文化というか性質がありますよね。日本には昔から「以心伝心」という美しい言葉がありますが、これは恋人や夫婦間での話。仕事においては通用しないことのほうが多いことでしょう。

仕事においては、どこからどこまでが自分の仕事なのかと業務の範囲を明確にしておく必要があります。契約書をしっかり交わしておけば、何かひどい目に会ったとしても、それを元に訴えることもできます。

なんとなくで仕事をすると今は痛い思いをしなくても、そのうち、そのような目に遭遇する可能性もあるということを忘れないようにした方が良いのかもしれません。在宅ワークは、ある意味サバイバルです。

自分を守る必須アイテム契約書を作ってみよう

本来、契約書というのは、業務を委託をする側が用意するものです。とは言っても、小さな会社が相手となると出てこない方が多いのです。相手が用意してくれない場合には、勇気を持って自分から申し出て、契約書を作り、契約書に押印をお願いしましょう。

契約書を作るにあたって、まず外さないようにしたいポイントは……

1、契約年月日 
2、発注者の氏名や連絡先 
3、業務の内容を明確に 
4、報酬額・支払い方法など 
5、諸経費についてどうするのか 
6、成果物の納品についての詳細や知的財産権の帰属についてなど 
7、秘密保持について

など このような点は最低限の確認をするようにしましょう。

クラウドソーシングの場合には、手数料などが引かれる分、契約書への記入の手間は省かれて楽なのですが、自らが契約を取って在宅ワークとして仕事をする場合には、取り決めをしない限りは何かあっても間に誰も入ってくれることはないので、自分を守る必須アイテムだと認識しておきましょう。

契約書作成時には曖昧な言葉は使わない

契約書には「ここから、ここまでが私の仕事です」という業務の範囲を明確に書くということがとても重要になります。

そうすることによって、相手が無理な要求をしてきた時にも「契約書にはここまでと書いてありますので、それ以上お仕事が増える場合には別料金になります」とはっきりと言うことができます。

また、トラブルの一番大きな原因になりがちな金銭的なところは特に後になればなるほど聞きにくくなるので、最初の段階でしっかり明確に話しをしておきましょう。

経費のこと、支払いの方法、いつ支払われるのかなどは、しっかりと押さえておきましょう。「言った、言わない」で揉めることって家族間でも日常的に起こることです。

それが仕事となり、他人同士となった時には状況や関係は悪化するしかありません。そのようなことを防ぐためにも、その時は言い出しにくくても、後のことを考え、曖昧な言葉を使わず気持ちよくいきたいものです。

実際に契約書を使って契約を結ぶ時には慎重に!

契約を結ぶ時には、最悪の事態も頭の中で想定しておきましょう。契約の時には思いきって、クールでタフな自分になりましょう。特に注意したいのは、印鑑を押す時。作った契約書は、お互いに自署捺印をしますが、捺印をしたのが自分だけだったなんてことはないようにしましょう。

相手と自分の2枚に自署捺印がなければ無効とされてしまう場合もあるからです。特に気をつけて欲しいことは、「捨印」を押す事です。そもそも捨印とは、加筆が必要になった時に、訂正印を貰わなくてもいいように。

というものなので、勝手に契約を書き換えられた場合「訂正印」の役目を果たしてしまいます。悪用されないためにも、捨印を拒否することは身を守ることのひとつと心得ましょう。

在宅ワークは気軽に始めることはできますが、折角始めた仕事も痛い思いをすると台無しです。良い仕事をしていくためにも、互いに気持ちよく仕事を進めるためにも、契約書を作るところから始めてみてください。

作り方が分からない人は、厚生労働省が在宅ワークのためのガイドラインを作成してくれているのでぜひダウンロードして参考にしてみてください。