2018年6月下旬に、クラウドソーシングのランサーズから面白い試みが発表されました。その名も「ベーシックワーク制度」。ベーシックインカムは聞いたことがありますが、ベーシックワークってなんでしょうか。このブログで取り上げたのは、対象者(対象となるワーク)がライターと聞いたから。ライターに対するベーシックワークってなんだ!?
※ベーシックワークの詳細(説明会当日の内容)を投稿しました。こちらからご覧ください。
ランサーズのベーシックワークって仕事保証の制度のこと
まずはランサーズが発表したプレスリリースを確認してみましょう。
民間初・広義のフリーランス向け「ベーシックワーク制度」の実証実験を開始
~月額10万円の仕事保証、「仕事を探す時間」を「腕を磨く時間」に変え、スキルアップを支援~
ランサーズ既存ユーザー以外のフリーランス/副業者も対象
引用:ランサーズ プレスリリース
これだけだと何のことか理解できませんね。要点を抜き出してみます。
- フリーランスに仕事を保証するという実証実験
- 対象となる仕事はオウンドメディアなどの記事作成
- 保証される金額は月3万円、5万円、10万円のコース
- 仕事保証付Webライター塾への参加が必要
- Webライター塾の参加可能人数は30名
- 2018年7月10日(火) 19:00~説明会を実施
- 6月30日時点で説明会の枠は埋まっている
- なんなら20日に発表された当日で満員になっていた
- Webライター塾は3カ月間の開催
- Webライター塾は月1万円を支払って受講
- 仕事が保証されるのは3カ月〜6カ月の間
だそうです。つまり、塾という講座に毎月1万円を支払って3カ月間通うと、(受講中も含める?)3カ月間は最低3万円の仕事を発注してもらえる。3万円より10万円が欲しいですが、その選別はどうなるんでしょうかね。さすがに仕事を依頼するわけですから、文章作成力などで申し込めるコースが変わりそうです。
なんにしても説明会は満席で30名限定とのことですから、この記事で制度を知った方は利用できなさそうです。もっとも実証実験が成功した場合、制度利用者の枠が広がるかもしれません。
また、実はスパイを使って説明会に潜り込む(情報を得られる)予定ですので、当日の様子を報告できるかと思います。楽しみにしていてください。わたしもライターに確実に仕事を与えて、かつ講座を受けて勉強させるという実験には興味があります。クラウドソーシングごときが! とは思っておらず、純粋にライター育成の仕組みとして注目です。
ランサーズのBASIC WORKが目指す世界
プレスリリースをみると、このベーシックワークという試みは、民間初の実証実験だそう。フリーランスの働き方や社会保障については、厚労省や経産省あたりの省庁が検討をしています。それなのにどうしてランサーズといういち民間企業が手を出すのでしょうか。
ランサーズが掲げているのは、フリーランスが仕事を探すための時間を削減し、お金をもらえる記事執筆のための時間を担保することだそう。確かに、固定の仕事があるフリーライターでなければ、仕事を探す行為には相当な時間がかかると想像できます。営業行為をせずに仕事が舞い込んでくるならば、直接的な収入につながる行為に使える時間が増えることに。
クラウドソーシングらしい、安価な仕事しかもらえないかもしれない
一見すると美味しい制度に思えますが、実は懸念点もあります。保証される仕事の中身が不明なんです。もしかしたら格安の仕事を提供されて、10万円分を納品するだけで1カ月がまるまる浪費される可能性も。
一応、魚拓として残しておきますが、ランサーズ社の社長である秋好陽介氏は、NewsPicksで以下のようにコメントしています。「報酬についてご意見をいただいておりますが、適正な報酬のお仕事をスキルに応じて差配しフリーランスさん側にも案件をうけない自由もあり、どのような案件や条件(報酬含む)を希望するかを設定いただいた上での「ベーシックワーク」となっております。実施後にはレポートも出させていただく予定ですが拡大できるよう邁進します。」
フリーランス側に仕事を受けない自由がある、と。納得いかない仕事であれば断ることができるようです。本当ですかね。果たしてランサーズは、個々人が希望する仕事を用意することが可能なのでしょうか。このあたりも説明会でどのように伝えられるのか注目してみます。現場からは以上です。