世の中にはWebライターという職業があるようで、しかも副業の選択肢として有望だとか。嘘か誠かわかりませんが、実際に大勢の人がWebライティングを副業に取り入れています。「副収入が欲しいから自分も!」と飛びつく前に、そのメリットとデメリットを押さえておきましょう。
副業・複業のメリット
副業にしろ複業にしろ、始めるまでの難易度に差はありますが、それぞれにメリットがあります。メリットがなければ、誰も始めませんからね。
副業をするのは、何がメリットか
副業のメリットはとてもわかりやすいです。ずばり、お金。収入のアップが何よりの成果物でしょう。ここに異論がある人はいないですよね? お金を貰わないで良いのでしたら、副業という形にこだわる必要はありません。無償という意味でのボランティアをすれば良い。仮に営業職の人がボランティアで、他社の商材を営業してあげれば良いわけです。
でも、せっかく労働をするのですから、対価として報酬を得たいと思うのは人の性。誰も否定できることではありません。
ところがお金だけが副業のメリットかというと、そうでもありません。本業ではできない仕事、先の例で営業職の人が、副業でカメラマン・フォトグラファーになった場合を考えてみましょう。カメラが好きで写真撮影を趣味としている人は、世の中に大勢います。さらに本業は企業の営業職という人を見つけることは難しくないでしょう。
でも営業職ですし、あくまで趣味レベルの撮影テクニックですから、本職のフォトグラファーになるのは難しい。フォトグラファーとして生活を維持しようと思ったら、毎月数十万円を稼がなくてはなりません。
ところが最近の写真撮影単価は下がっていて、1現場で数万円前半という仕事もザラ。特にフリーランスのカメラマンであれば、突然の撮影依頼に応えられるというメリットから重宝されており、前日に「大阪で撮影をお願いしたい」なんて声がかかることもしばしばです。
仕事がないときもあるわけで、実に不安定な働き方。豊富な経験とコネクションがあれば、安定的な仕事を期待できます。素人に毛が生えた程度であれば、なかなかお声がかからないプロフェッショナルの領域です。
それでもカメラマンになりたいのであれば、本業で生活の基盤を維持しながら、安価かつスポットの依頼で撮影をする副業の働き方にメリットを感じませんか。
仮に1現場数千円の報酬でも、自分の好きなことを仕事にして、かつサラリーマンの安定を捨てない働き方。お金を稼ぐことに加えて、本業ではできない仕事にチャレンジできるのも、副業の大きなメリットと考えられるでしょう。
複業をするのは、何がメリットか
複業のメリットとなると、収入だけではない理由が考えられます。もちろん、収入が増えるかもしれない、というのは大きなメリットです。
ただし先述したように、複数の企業での勤務時間をフルタイム以外に調整した場合、それぞれから得られる収入は月給満額とはいかないでしょう。もしかしたら1社でフルタイム勤務する方が、月給は高くなるかもしれません。
スペシャリティのある人材であれば、勤務日数は2/5(週2日)なのに、給料は3/5(週3日分)ということもあり得ます。2社での複業だとして、週5日勤務でありながら収入は6/5(週5勤務より1日分多い)になる可能性もありますね。このような特別な人でしたら、複業は収入面で大きなメリットとなります。
収入以外にもある、複業・副業のメリット
では収入以外で複業のメリットとはどんなものがあるのでしょうか。考えられるのは、仮に同じ業務であっても会社が異なれば、進め方やルールに違いがあります。
会社の数だけルールがあるわけですから、どちらが正解ということもありません。様々な会社で経験を詰めることは、後のキャリア形成で強みとなってくるでしょう。
または同じ職種でも業種が違えば、対峙する相手が変わります。知識の幅が広がりますし、人脈の増え方も異なります。これから先の世の中では、人脈が物を言うかもしれません。とすれば、多くの業界・業種・企業とコネクションを持つことは、個人の価値を高めることにつながります。
さらに個人のキャリア形成および収入源が、ひとつの会社に依存しないというメリットも大きいです。A社の業績が悪くなっても、B社は活況かもしれない。1社で首になっても、片方の会社で雇われ続ければ、生活が破綻するリスクは下げられます。
終身雇用が崩壊して久しい日本において、自分の価値を高める、または生活を守るためにも、複業に挑戦するメリットは大きいといえるでしょう。
副業・複業のデメリット
物事にはメリットがあれば、デメリットも存在するのが世の常。副業にしろ複業にしろ、デメリットといえる側面があることも事実です。副業・複業における最大のデメリットは、時間管理の難しさではないでしょうか。
本業(1社での仕事)だけの働き口であれば、仕事時間のすべてを1社のために費やせます。ところが副業・複業の実践するのであれば、本業以外の仕事に使う時間が必要になるわけです。仮に労働時間が一社依存と同じだとしても、切り替えが上手くない人には困難がつきもの。さらに職種が異なるとなれば、ラーニングコストもバカになりません。変化の激しい業界に属する場合でしたら、そのコストは単純に2倍以上。人間関係の悩みを抱えがちな人であれば、それも2倍以上の労力を割かなくてはなりません。
ときには片一方の仕事をしているときに、別の仕事の緊急対応を迫られることがあるかもしれません。打ち合わせの時間が重なってしまえば、どちらかに調整をお願いする必要も。片方ばかりに比重を置けば、別の会社からは「うちよりも、あっちを優先してる」と白い目でみられることは必至です。
現にわたしの会社にも複業をしている社員がいますが、彼に対する社内の理解はまだまだ低いと言わざるを得ません。わたし個人にフォーカスしても「副業で稼いでるからいいよね」と嫌味を言われることも。
副業や複業に取り組むにあたり、時間管理や人間関係という大きな壁が立ちはだかるのです。まだまだ複業・副業の理解が得られていない世の中ですから、なかなかに高いハードルだと考えられます。現場からは以上です。