1記事7万円、それでもクラウドソーシングのライターは稼げない?

1記事7万円、それでもクラウドソーシングのライターは稼げない?

数年前から気になっていたのですが、クラウドソーシングってどうなんでしょうか。年始にブログを始めたものですから、ネタのひとつにでもなったらと思い、登録してみました。実際に使えるのか、使えないのか、稼げるのか、稼げないのかを調査するために。

クラウドソーシングは諸悪の根源か

クラウドソーシングって、いったいどうなんでしょうか。「どうなんでしょうか」というのも、巷ではいろいろな噂があるものですから。良い噂も悪い噂も溢れているのですが、ライターという仕事をしていると、仲間内からはネガティブな声を聞くことが多いです。中には「クラウドソーシングのせいで、ライティング市場に価格破壊がおきた」とか、「自分たちの仕事がなくなる」とか「素人のくせにライターと名乗るやつが増えて迷惑だ」と怒り心頭のライター諸君もいます。

さまざまな意見があるなかで、個人的に気になったのが『価格破壊』が起きているのかどうか。本当ならばオマンマ食い上げですし、将来のために新しい仕事を探さなくてはなりません。幸せな老後を夢みていたわたしにとって、天地を揺るがす大事なのです。

『自分の仕事がなくなる』という意見については、わたし自身は気にしていません。仮に、ですよ。クラウドソーシングの出現によって多くの人がライターになったせいで、自分に仕事を依頼する人がいなくなるのなら。完全に、自分の責任だったと諦めます。昨日今日からライターを名乗った人たちに、10年、20年選手が負けてしまうとしたら、その程度の価値しか発揮できていないということ。

本当に自分たちの仕事や存在に価値がないのでしたら、やるせない気持ちでいっぱいですが、諦めるしかないでしょう。実際にそんなシチュエーションになったら、格好つけて「諦めるしかねーなぁ」などと言えるかわかりませんが、気持ちとしては男らしく散りたい。

とはいえ未来のライバルなのでしたら、敵の素性をつかんでおくのも仕事のうちです。1月の終わりに登録をして、3月の初旬まで仕事を探してみました。本稿ではその結果を報告させていただきます。

クラウドワークスでの活動

はじめに、クラウドソーシングの大手 クラウドワークスで仕事を探してみた結果です(写真はクラウドワークスでの入出金画面/具体的な仕事の内容は、発注主さまの都合もあるので伏せています) 。まず仕事をしてみての正直な感想ですが、「これがクラウドソーシングか……」とふたつの意味で驚きました。左の写真にあるように、11件の仕事をしたようです。金額が記載されていますが、( )の中に書いてあるのがわたしが手にした報酬額です。クラウドワークスではいくつかの仕事方法があるようで、ものによってはシステム利用の手数料が引かれます。どうやらこの手数料に対して不満をもつ人が多いようですが、営業代行に支払ったと思えば気になりません。そんなことよりも驚いたのは、次のふたつのことです。

クラウド=群衆とは、発注者のことなのか

そもそもクラウドソーシングとは、『群衆を意味するクラウド(雲のクラウドではない)』と『業務委託のソーシング』をかけ合わせた言葉。群衆に対して仕事を依頼することを意味するようです。わたしもそういう理解で登録したので、大勢が仕事に群がっている絵をイメージしました。

ところが実際には、登録者(働く人)に対して発注者が群がっている印象だったのです。クラウドワークスでは11件の仕事を完了しましたが、「こんな仕事してみませんか?」と、毎日数件のお声をかけていただきました。「あれ、わたしって人気者?」と勘違いするほどです。

ただしランサーズと違ってクラウドワークスは、『ビズアシスタントオンライン』なる発注主からの依頼が圧倒的に多い。どうやら、クラウドワークス社が受託した仕事を依頼するアカウントのようでした。それ、そのまま発注したら受注者の取り分が多くなりませんかね?

原稿料は、安すぎるものから適正なものまで

わたしが一番気にしていて、今回の試みで確認したかったのは、記事の原稿料でした。こちらに関しては、なんとも断定し難い結果です。画像の一番下に表示されている金額は『50円』。仕事の対価で50円というのは、子供の頃のお手伝いのような感覚です。50円の仕事をどれだけ受けたら、人並みの生活が送れるというのでしょうか。

もっともこの仕事は、タスク方式というもので、クラウドワークスのサイト上にテキストを打ち込んだだけ。100文字にも満たない文章量です。文章というより、アンケートに回答したというほうが合っているかもしれません。内容も、あるサービスについての印象を記載するだけ。完全に主観で書いたらOKでした。

1記事30,000円以上、割の良い仕事も

逆に最も高額の原稿料は『99,287円』です。こちらは人材系の企業が運営するオウンドメディアの記事でした。文章量は4,000文字程度で、3記事の執筆を依頼されています。テーマをクライアントが指定し、わたしの知見と調べた内容で構成しました。特に修正もなく、空き時間と休日の数時間で書き上げられたので、時給としては悪くない印象です。

HR系の記事であれば、過去にいくつも書いた経験があったので、苦労することはありませんでした。また人事という仕事に就いた友人も多いため、彼らにヒアリングすることで現場観のある内容だったと自負しています。

『32,400円』と表示されているのは、恋愛系コラムのような記事でした。こちらも男として生きてきましたので、それなりに恋愛経験はあります。元来、女性に対しての興味は強い方なので、独自の理論や経験も展開しやすかったかもしれません。こちらも3記事を依頼いただき、それぞれ3,000文字以上という指定でした。

ライターとして食べてきましたので、3,000文字を書くこと自体は苦ではありません。テーマについても知識があるものでしたので、難しく感じることはなかったという幸運にも恵まれました。また深い知識がない場合でも、誰かに聞けばそれなりの答えがもらえたのも奏功したでしょう。

ランサーズでの活動

続いて、クラウドソーシング大手のもう一社、『ランサーズ』で仕事をした結果になります(写真はランサーズでの実績表示画面/具体的な仕事の内容は、発注主さまの都合もあるので伏せています)。結論からお伝えすると、画像にあるようにふたつの仕事をいただきました。約2ヶ月間で2件の受注。仕事の数だけを追いかけるのでしたら、10でも20でも、100でも200でもいけそうな雰囲気。ありがたいことに現在は仕事に困っていませんので、無理に受注していません。

またクラウドワークスと異なりランサーズでは、使い方を知るために安価な仕事をいただくことはしませんでした。クラウドワークスのときと同じように、いくつもの仕事へのお誘いをいただきましたが、基本的にはお断り。自分の得意そうな仕事であったり、これまでやっていなかったけども面白そうと感じた場合だけ、ご連絡をさせていただきました。

声をかけられたとしても、必ず発注をもらえるわけではない

面白かったのは、声をかけられたからには仕事をいただけるものだと思っていましたが、必ずしもそうではなかったこと。中には「テストライティングを受けろ」という声がけもありました(これはランサーズに限ったことではなく、クラウドワークスでも同様でした)。たちの悪いことに、テストライティングという依頼の報酬額が低いこと低いこと。わたしから受けたいと言ったわけでもないのに、安い金額で「おまえの腕を試してやろう」と言われたようで、ちょっとだけプライドが傷つきました。まぁ、わたしのプライドなんて、吹けば飛ぶようなものですが。

また、仕事の内容を聞いて、『わたしが受ける場合は』という意味合いで金額を提示したら、梨の礫というケースも。見積もりに納得がいかないのであれば、その旨を伝えてくれたら納得します。が、ランサーズでもクラウドワークスでも、金額を提示したとたんに「さようなら 旅の人」とドラクエ風(古くて意味がわからない方ごめんなさい)に去ってしまう発注主さんも多かったです。

ライティング料金は、やっぱり幅が広い

ランサーズにおいても、依頼される仕事の幅と原稿料の幅が広かったのは共通点でした。2,000文字前後の記事を依頼しているのに、1,000円やそれ以下のケースも。逆に高額報酬の仕事もありました。

わたしが受注したのは、金額の高い仕事。ランサーズでは高額案件だけに手を出したので、必然的に一件あたりの獲得金額も高くなりました。先に掲載した画像を見ていただければ、一件あたりの報酬額がわかっていただけるでしょう。

1記事70,000円の、高額な記事を受注

クラウドソーシングを利用しての驚きが、もうひとつありました。普段の仕事や編プロから依頼される仕事よりも、ずっと割が良かったのです。なんと、ひとつの記事で70,000円超と100,000円超の依頼をいただいてしまいまして。

期間中にランサーズで手がけた仕事は、2件だけでした。期間中にランサーズで手に入れた報酬は、190,000円でした。つまりひとつの仕事あたりでは95,000円ということになります。

正直、編プロから依頼される仕事のほうが安いです。またフェイスブックやツイッターといったソーシャルメディアで「ライターさんを募集してます。気になった方はメッセージを」みたいな仕事よりも、圧倒的に割が良い。本当に驚きました。なかにはクラウドソーシングをケッチョンケチョンにけなしていた編集者さんのほうが、桁がひとつ違っても届かない価格で打診していたり(あなたのことですよ)。

ちなみにわたしがランサーズで受注した仕事は、ひとつは取材と執筆までを任せてもらうもの。隣の県まで出張っていったので、少し交通費は必要でしたが、1時間程度の取材で、文章量は7,000文字の指定でした。紙媒体用のライティングだったため、見出しの数と各文字数が決まっているという、『らしい』案件で楽しかったです。

もうひとつは4時間ほどのトークセッションを、書き起こしではなく記事の体裁に編集&執筆する仕事。複数セッションあったので、厳密には1記事ではありません。それでも10万円以上いただけて、しかもテープ起こししたデータまで提供してもらいました。ログミーではないので、書き起こしそのままというわけにはいきませんが、それでも1セッションあたり1時間半程度。時折、理解しにくい内容もあったので、調べる作業もありましたが、全部まとめると5〜6時間くらいの作業だったと思います。

ちなみにトークセッションの記事は、CMSへの入稿作業まで依頼されたので、ライティングだけの金額と言い切ると語弊があるかもしれません。とはいえCMS入稿は慣れたものですし、特に難しいこともありませんでした。ああ、美味しい仕事だったなぁ。

クラウドソーシングは、使い方次第

結論、クラウドソーシングは使えないことはありませんでした。今回ランサーズでいただいたような割の良い仕事が、常時大量にあるわけではないでしょう。ですから、それだけで食べていこうと思ったら、割の悪い、もしくは普通の仕事にも手を出すひつようがありそうです。

それでも時給換算したら、コキを使われまくっている会社よりも、高給取りになるかもしれない。会社員よりも時給が高いかもしれない。もう一度、言います。わたしの会社よりも時給が良いかもしれません。……届け、心の叫び。

もっともフリーランスや個人事業主と会社員を比較したら、ボーナスがあったり保険が安かったりと恵まれているんですけどね。会社にはとても感謝しています。現場からは以上です。

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