言葉の事業仕分けで、読める&理解される|文章ダイエット2

言葉の事業仕分けで、読める&理解される|文章ダイエット2

上手な文章を書く、文章ダイエット術の第二弾です。前稿では、「一文に情報を詰め込みすぎない」ことでの文章ダイエット術をご紹介しました。本稿で書いていくテクニックは、「不要な言葉・単語を削除する」ことでのダイエット術です。

必要な単語と不要な単語を仕分けて削ろう

何気なく書いている文章には、実はいらない言葉が多分に含まれています。もちろん表現の範ちゅうとして、「同じ意味を持つ言葉は他にあるけど、どうしてもこの言い回しをしたい」ことがあるでしょう。または余計な言葉だったとしても、雰囲気や気分までを伝えるために使用することもしばしば。

なんでもかんでも削れば良いわけではありません。「2位じゃダメなんでしょうか?」とか言いながら、文章の仕分けをし過ぎると、なんとも説明くさい文章になってしまい読み手として疲れる。かつ書いている本人が楽しめなくなります。ライター自身が「つまらないなぁ」と思って書かれた文章であれば、読む人も楽しめないんじゃないかと思うんです。

ですから、「何が何でも削れ」というわけではなく、不要な場合は削りましょうというお話です。雰囲気を届けたくて選んだ単語であれば、いらない物ではなく、ライターの意志で選択した必要な言葉だったということ。

不要な言葉の見つけ方

先に挙げたように、必要だから使用する言葉がるのは事実。ここでは個人の好み・表現の範ちゅうは無視して、文を短くするためにいらない言葉を削る方法について考えてみます。文を短くすることは、すなわち読める文になるということ。一文の中に不要な言葉を含めないように書くことが、読んでもらうための文章ダイエット術のひとつです。

ではいかにして不要な言葉を見つけるのか。言葉や単語の一つひとつを、必要か不要か判断する方法はあるのでしょうか。わたしがお勧めしたいのは、文の目的=主題(テーマ)にとって欠かせない言葉かどうかを考えること。

いらない言葉が含まれた一文の例

説明だけではピンとこないかもしれませんので(わたし自身もいまいちピンときていません)、例文を書いてみます。

いまから私は、一文を短くするメリットが伝わるような文章を書いてみようと思います。

ちょっと雑かもしれませんね。でも勘の良い人であればすぐに、どれが不要な言葉か気がつくはず。わたしが考える不要な言葉は、上記の文例では3箇所(3個)あります。

  • 伝わる『といえる』
  • 書いて『みようと』
  • 『思います』

『〜といえる』『〜ようと』が不要であることは、すぐに分かっていただけるでしょう。「一文を短くするメリットが伝わる」で充分、意図が届けられるのですから。更には、『思います』も不要ではないでしょうか。『思ったけど実行しなかった。』という内容であれば、『思う』の言葉が必要となります。でも例文の場合、『書いてみます』で満たされますし、『みます』すら余計なのですから、『書きます』でこと足りるわけです。

伝えたいことだけ記載すれば、理解しやすくなる

不要な言葉が含まれた例文と、余計な言葉を削った例文を見比べてみましょう。

  • いまから私は、一文を短くするメリットが伝わるといえる文章を書いてみようと思います。
  • いまから私は、一文を短くするメリットが伝わる文章を書きます。

不要な言葉3個を削ることで、10文字も短くなりました。言葉を減らしてみましたが、大事なテーマが理解しにくくはなっていないかと思います。それどころか、必要な言葉が頭に入りやすいため理解しやすくなったのではないでしょうか。

余計な言葉であれば、遠慮なく省いてしまう。『1位じゃなくて2位でも良いから削減』『あってもなくても一緒だから削減』『あったら良いな〜、でもなくても困らないから〜と思ったから削減』。蓮舫氏を彷彿させる言葉の仕分け師となって、大鉈を振るいながら不要なワードを切り捨てて行きましょう。

ただし冒頭にもお伝えしたように、「表現として必要」と判断しているのでしたら、無理に削って温度の低い文章にならないようご注意ください。実際にこの記事には、たくさんの仕分けできる言葉が残っています。でも消さない。読める文章の書き方というテーマなのに、その紹介記事に無駄があるという、なんとも矛盾していますが、教科書をつくることが目的ではありませんので。

また例文では『思う』を削りましたが、『思う』ことがテーマになっているのでしたら、残しておかないと正しくない文になることもお忘れなく。

文章ダイエットのテクニックその2は、不要な言葉を削るでした。不要な言葉を削減して一文を短くすることが、読める文章作成の第一歩になるのです。現場からは以上です。