DTPオペレーターとは、印刷物のレイアウトやデザインをパソコンの画面上で作り出す職業です。デジタル媒体にも対応できるので、出版業界では重宝されています。
DTPオペレーターの仕事内容は?扱う印刷物の種類は?
DTPは、Desktop publishing(デスクトップパブリッシング)という意味です。
出版物のページレイアウトや編集作業などをパソコン上で行うことを指します。
雑誌や書籍、チラシなど印刷物のレイアウト指定を行う
印刷物のレイアウトはとても重要です。
雑誌のページを構成しているのは、タイトルや写真、イラスト、文章など。
それらをうまく配置して、ページのレイアウトやデザインをするのがDTPオペレーターの仕事になります。
文章と画像を組み合わせてページを作り上げていくプロ!
雑誌の誌面を思い浮かべてください。
タイトルと見出し、文章、写真やイラストなどがバランスよく組み合わさっていますよね。
漫画の場合でも、枠線の外側にタイトルロゴが入っていたり、ノンブル、あらすじや煽り文が入ったりしますね。
書籍の表紙やページ、チラシなども、みんな同じように文字や写真をうまくレイアウトしたものです。
DTPオペレーターはパソコンで文字や写真をそのように組み合わせて、美しいページデザインをするプロフェッショナルです。
作業工程は場合によって違いますが、デザイナーが起こしたデザインに基づいて、データを作成していきます。
レイアウトの調整に加え、文字校正なども行う必要があるので、かなり繊細な作業となるようです。
DTPが登場する前はすべて紙に指定を書き込んでいたって本当?
出版業界にパソコンが導入され始めたのは1980年代頃のことで、DTP業界が急成長したのは1987年以降と言われています。
最初にDTPのプラットフォームを作ったのはAppleでした。
DTPが登場する前の出版作業は、すべて紙にタイトルロゴや文字、写真の配置などを指定していました。
色指定もCMYKのパーセンテージを書き込んで指定していたので、実際の色味は試し刷りが届くまでわからなかったといいます。
当時、印刷所が行っていた作業を現在はDTPでできるようになったというわけです。
DTPオペレーターとDTPデザイナーの違いは?
DTPでデザインをメインに行う人のことを、オペレーターではなくDTPデザイナーと呼ぶ場合もあります。
DTPデザイナーになると、広告などのデザイン業務が主な作業になります。
一方、DTPオペレーターはデザイナーの指示に従い、ページの中に必要な画像やテキストをきれいに収める仕事です。
もちろんDTPオペレーターにもデザイン能力は必要なので、DTPオペレーターが広告などをデザインすることもあります。
この二つははっきりと分かれているわけではなく、業務の種類による呼び分けのひとつです。
DTPオペレーターの作業は繊細さが求められる?
文章も写真もイラストも扱い、デザインも担当し、画像加工までこなすことがあるDTPオペレーター。
その上、誤字脱字を見つけたら直したり、文章のおかしいところを修正したりなど、面倒な校正作業もこなします。
当然、その仕事には繊細さが求められるのです。
写真やイラストの色味を判断したり色指定をする
DTPオペレーターが行う大切な仕事のひとつに画像の加工や修正があります。
例えばモデルの女性の顔に小さな傷やニキビなどがあったら、それをうまく修正して消したりします。
写真やイラストの色味を、より美しく表現したりすることなども得意です。
イラストや写真に合わせてロゴやタイトルの文字をかぶせる場合、その色の指定も行います。
文書も扱うのでフォントや行間、段組の指定などにも精通する
記事の文章部分や小説などのページをレイアウトする際は、細かい設定をしなければなりません。
文字のサイズ、字間、行間、段組、フォントの種類などを決め、美しく組んでいきます。
禁則処理や、それに伴う字間の調整などもDTPオペレーターが行わなければいけない仕事です。
禁則処理とは、約物と呼ばれる句読点や感嘆符、疑問符などが行の頭に来ないようにするための処理です。
文字は小さいサイズであることも多いので、非常に神経を使う作業であることは間違いありません。
Web用にデータを作る時は違った知識が必要となる?
DTPができることは、基本的には印刷物のレイアウトです。
そのため、Webで表示する場合とは違ったデータとなります。
しかし最近は、DTPで制作したページをそのままWeb用に流用することも増えてきました。
変更を加えるためのWeb担当者がいない場合、DTPオペレーターがWeb向けにするための変更を行います。
そのためDTPオペレーターはWebサイトデザインの知識も持ち合わせていなければいけない場合もあるのです。
DTPオペレーターが主に使用するソフトは何があるの?
DTPオペレーターが使っているアプリケーションソフトウェアには、いくつか定番があります。
[Adobe Illustrator]はロゴや広告を作れる!
ドローソフト(画像描画ソフト)として有名なのが[Adobe Illustrator]です。高度な描画が可能になるので、イラストやロゴ、広告などの制作に向いています。
[Adobe Photoshop]は画像加工と編集ができる!
[Adobe Photoshop]は画像編集ソフトで、主に写真を補正・加工するために用います。[Adobe Illustrator]はグラフィックを「描く」ソフトですが、こちらはすでに完成した画像の修正が得意です。DTPソフトの定番[Adobe InDesign]を使いこなす!
現代では、DTPと言えば[Adobe InDesign]、というぐらいの定番ソフト。ページレイアウト、デザインを行うソフトで、とても使いやすいと評判です。[Adobe Illustrator]や[Adobe Photoshop]との連携も容易なため、完成までの作業が滞ることはありません。
1990年代を制した[QuarkXPress]も未だ現役!
1999年に[Adobe InDesign]が登場するまでの間、DTPと言えばQuark社の[QuarkXPress]でした。現在は[Adobe InDesign]に大きく水をあけられていますが、長年利用している愛好者は一定数いるようです。
DTPオペレーターに仕事を頼みたい時はクラウドソーシングがおすすめ
DTPオペレーターに仕事を発注したいと思う状況はいろいろあることでしょう。インターネット全盛の時代とはいえ、まだまだ紙媒体、印刷物は人々から愛されています。
カタログやパンフレット、チラシなどを制作する時に!
カタログやパンフレット、チラシなどを必要としている企業、小売店の人はDTPオペレーターに仕事を頼むと良いです。
社内報や記念誌、報告書などもDTPでセンスよく制作できる
企業の社内報や記念誌なども、原稿と素材さえあればDTPオペレーターに編集してもらえるでしょう。報告書や資料なども、冊子形式である程度の部数が必要なものは、プリンターよりも印刷のほうがいい場合があります。
クラウドソーシングのDTPオペレーターならレベルの高い誌面を作ってくれる!
DTPオペレーターに印刷物のレイアウトを依頼したい時は、クラウドソーシングサービスを利用するのがおすすめの方法です。たくさんのプロフェッショナルが登録をしています。
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