バーティカルメディアは今後もしばらく安泰?成長し続ける秘密とは

バーティカルメディアは今後もしばらく安泰?成長し続ける秘密とは

バーティカルメディアの専門性がデジタルネイティブにウケている

デジタルネイティブに人気のバーティカルメデイア
バーティカルメディアとは、特定の分野に特化したメディアのことで、いわゆる専門的な話題を集めたサイトです。バーティカルとは「垂直の」という意味ですが、深く掘り下げるという意味でも使われる言葉のようです。

「ある分野に特化する」ことの強みとは?

専門サイトというだけでは、ユーザーはすぐに飽きてしまうはずですよね。しかしバーティカルメディアは、安定した人気を誇るサイトが多いです。

まず重要なことは、そこに行けば必要な情報が手に入るというユーザーの絶対的な信頼感です。加えてバーティカルメディアは読み物として優れているコンテンツが多い傾向にあります。

サイトによってテーマはいろいろですが、そのジャンルを深く掘り下げて様々な記事を公開しています。最初は検索でひとつの記事にアクセスしたユーザーが、そのまま他のコンテンツも読み漁ってしまうと評判です。

〇〇ならここ!と一度刷り込まれたらユーザーは忘れない

人は趣味に関するものについて書かれたコンテンツを読んでいると、時間を忘れてしまうものです。ユーザーのそういった思いをバーティカルメディアはよく分析しています。

「〇〇のことについて書いてあるのはここ!」と一度認識したら、ユーザーはなかなか忘れません。まるで服や雑貨のブランドに顧客がつくように、人は目当てのサイトを愛するようになるのです。

キュレーションメディアとの違いは?

キュレーションメディアとは、ネット上にすでにある情報を選んで公開するメディアです。ジャンルによっては専門性がありますが、最初から専門性に特化しているバーティカルメディアとは差があります。

バーティカルメディアはここ数年で急成長!人気の秘密はどこにある?

バーティカルメディアが人気の理由
電車の移動時間などスマホで読むコンテンツを探しているユーザーにとってバーティカルメディアはうってつけです。その人気の秘密はどこにあるのでしょうか?

バイラルメディアよりも「勉強している」気になる?

SNSで騒がれた話題などを集めてコンテンツにしているバイラルメディアも、ネットユーザーには人気があります。バイラルメディアはゴシップや噂話をメインにすることが多いです。

それに対してバーティカルメディアの売りは専門性です。記事の有る無しはジャンルによって様々ですが、コアな内容の記事を掲載しているサイトも多く見られます。

仕事や生活に役に立つ記事なども多く、バイラルメディアよりも勉強している気持ちになれます。自分の身になる記事を読んで勉強することは、自己への投資でもあるということでしょう。

それほど好きではなくても「なんとなく」読んで楽しい

活字中毒という俗語があります。読書家という意味も含みますが、ついなんとなく、常に文字を目で追っていないと落ち着かないという人たちです。バーティカルメディアは、この活字中毒の人たちを引きつけています。常に何かを読んでいたい人たちにとってオアシスとなるようなサービスなのです。

株式会社じげんの成功事例から見るバーティカルメディアの将来性とは

バーティカルメディアと言うと必ず名前が出てくる会社が『株式会社じげん』です。『転職EX』を始め、『派遣EX』『アルバイトEX』など、『〇〇EX』というサイトを複数持っています。どのサイトも専門性に特化していて、目的の情報を得やすい作りになっています。

2013年に東京証券取引所マザーズに上場。2013年3月期の売上高は約11億円で営業利益約6億円。利益率5割超えが話題となり、バーティカルメディアを世に知らしめました。2018年現在は時価総額1000億円を突破。東京証券取引所第一部に市場変更しており、今後の期待も高まっています。

メディア事業の中では異例の成長を遂げたということで、注目が集まっています。バーティカルメディアの将来性にも大きく関与したと言っていいでしょう。

バーティカルメディアの例!代表的なサイトをチェック!

バーティカルメディアの有用性
専門性のあるバーティカルメディアはネット上にたくさん存在します。こんなにマニアックなことをテーマにしたサイトがあるなんて、と驚くようなバーティカルメディアもあります。ほんの一部ですが、紹介してみましょう。

バーティカルメディア1.『転職EX』

『株式会社じげん』が運営する転職情報サイト。求人情報の量もさることながら、会社・社風や就業環境などのこだわりからも転職情報を検索できるのが強みです。「中途入社30%以上」「女性社員50%以上」や「マイカー通勤可」などで分けられており、読みやすくまとめられています。
参照URL:https://tenshoku-ex.jp/

バーティカルメディア2.『受験のミカタ』

受験生を対象に『勉強の解説記事』『大学受験のノウハウや体験記』などを記事として配信しているメディアです。Web制作会社のオウンドメディアのため、アイキャッチ画像の見やすさや、シンプルながらも使いやすいサイトレイアウトなど、プロを感じさせる作りとなっています。
参照URL:https://juken-mikata.net/

バーティカルメディア3.『終活ねっと』

終末期、老後の生活、葬儀やお墓、相続など死後に困りそうなことをテーマにしたバーティカルメディア。コンテンツを絞り込んであり、読み物としても満足のいく記事が揃っています。全国のお墓を探すこともできます。2018年、DMM.comに買収されたことがニュースになりました。
参照URL:https://syukatsulabo.jp/

バーティカルメディアは新規参入も多い!これから始める時の注意点は?

バーティカルメディアの例
質の高い記事さえ用意できれば、バーティカルメディアを始めることはさほど難しいことではありません。CMSを使えばWebサイト制作も比較的楽に更新できるでしょう。

『転職EX』のように記事中心ではなく、欲しい情報を検索して探すデータベース的サイトの場合は情報量がものを言います。

特定の分野に特化する必要性。何をテーマにするかを見極める!

最も大切なことは、何をテーマにして、その専門性を掘り下げるかということです。すでに人気のサイトがある場合、競合する価値があるかどうか見極めてから参入しなければなりません。

しかし、まだ誰も手をつけていないジャンルであれば、すぐにSNSなどを通じてユーザーが増える可能性もあります。専門性に特化しているがゆえに広告も選びやすく、成果も出やすいです。

ユーザーに見つけてもらうまでが大変ですが、良い記事を更新し続けていればやがて軌道に乗ってくるでしょう。面倒なことは外注に依頼して高品質なコンテンツ作りを心がけましょう。