語順に気を配れば、理解されやすい日本語文章になる

語順に気を配れば、理解されやすい日本語文章になる

日本語には語順のルールがあるのでしょうか。英語においては、SVOとかSVOCが基本だと習いましたよね。じゃあ日本語の基本的な語順は? 英語と対照させて、日本語の語順はSOV型が基本だといわれています。英語が苦手な人でも理解できるように、日本語の語順について解説してみましょう。

日本語はSOVが基本的な語順

SとかOとかVとか、なんのことかさっぱりわからない……という気持ちはわかります。いったん解説しますので、なんとなく覚えてください。いやいや、別に覚えなくてもいいです。念の為、紹介しておきますよレベルなので。

『S』は主語のことで、「Subject(主語)」の頭文字。『V』は動詞のことで、「Verb(動詞)」の頭文字。『O』は目的語のことで、「Object(目的語)」の頭文字。『C』は補語のことで、「Complement(補語)」の頭文字。

おっと。ここでつまずきそうなので補足しておきましょう。補語とは文字にあるように、「補う言葉」のこと。主語(S)や目的語(O)を補って説明を豊かにするために用いられます。基本の基本は、S・V・O・Cあたりを知っていればOK。

ついでなので、『M』という修飾語のこと、「Modifier(修飾語)」の頭文字もお伝えしておきます。修飾語についてはさんざん紹介してきましたので、馴染みがあるかもしれません。文型の中に出てくる主語(S)や動詞(V)、目的語(O)、補語(C)を説明するために用いられるアレですね。

日本語と英語の語順の違い

頭文字をとった記号について紹介しましたが、いまいちピンとこないかもしれません。次に、具体的な文章を挙げてみましょう。

I play baseball.という、中学校一年生でも書かないような英語です。単語は3つだけ。それぞれの品詞は『I(S=主語)』『play(V=動詞)』『baseball(O=目的語)』です。

I play baseball.を日本語にしてみましょう。ただし語順は英語の規則で。『私はする野球を。』となります。主語、動詞、目的語の順番ですね。正直、伝わらないことはありません。留学生か外国から出向してきた人が使っていたとしても、微笑ましい気持ちで理解することができます。でも、すっきりするのは『私は野球をします。』というSOVの語順。これが日本語の基本的な語順です。

では、なぜ英語と日本語は語順がことなるのでしょうか。……正直、その理由までは知りません。調べたらわかるのかもしれませんが、ちょっと興味が湧かなくって。知りたい人はご自身でリサーチしてみてください。

わたしが思うに、英語の語順、主語をいって動詞をガツンと宣言するのは、その国の文化や国民性が現れているのではないでしょうか。私がどうするのかを名言する。そのあとに、何をという目的語を付け加える。

逆に日本人は、主語を宣言したあと、目的語を伝えて、どうするのかを最後にいう。『私は彼を……』といわれると、彼をどうしたんだ? 殴ったのか? 殺したのか? と知りたくなって、「見ました」といわれて「なんだ、見ただけかい!」とがっかりさせるのが日本語。

ちなみに日本語と同じ語順を用いている言葉として、韓国語やドイツ語などが代表的です。フランス語や中国語は、英語と同じSVOの語順であることも、頭の片隅に置いといてください。いや、やっぱり忘れてもらってかまいません。

日本語文章の語順の基本

日本語の基本的な語順は、SOVであることは先述の通りです。主語→目的語→動詞。これだけ抑えれば間違った文章にはならないのですが、なんでもかんでも当てはめられるわけでもありません。そもそも、主語と目的語と動詞だけで完成する文章の方が珍しいですから。

それにですね。こんなブログを書いておいてなんですが、わたしは国語の勉強が苦手でした。主語とか述語とか品詞の話をされてもチンプンカンプン。それに大前提として、日本語は変化していくものだと考えています。日本語が時代とともに変わっていくことを許容しないのであれば、今だに古文を使っていないとおかしいですしね。

臣安萬侶言。夫、混元既凝、氣象未效、無名無爲、誰知其形。然、乾坤初分、參神作造化之首、陰陽斯開、二靈爲群品之祖。所以、出入幽顯、日月彰於洗目、浮沈海水、神祇呈於滌身。

とか書かれても、意味がわからないですよね。ちなみに上記は、日本に現存する最古の歴史書『古事記』の導入部分です。こんな言葉を使っていたとしたら、わたしのようなライター家業を営む人は大幅に減ったでしょうし、スマホで気軽にメッセージを送るという文化も根付かなかったでしょう。

日本語の文章の基本は、SOVの語順で書きます。でも変化をするのが日本語ですし、SOVだけ理解していても、理解されやすい文章にはならないのです。といっても、ある程度の基礎というか、型みたいなのは欲しいところ。次項では、理解されやすい文章の語順について紹介します。

理解されやすい、5Wの日本語語順

5W1Hという言葉を聞いたことがありますよね。『いつ(When)』『どこで(Where)』『だれが(Who)』『なにを(What)』『なぜ(Why)』『どのように(How)』の頭文字をとったやつです。5個のWと1個のH、計6個の要素でまとめると、情報伝達がスムーズになるといわれています。5W1Hに沿って整理して伝えると、理解してもらいやすい&情報の漏れがなくなるそうです。

もともとは新聞記事を書く際の原則として用いられてきました。新聞記者以外の人でも、ビジネスシーンにおけるメールや報告で重宝するフレームです。これを応用することで、日本語文章の伝達がスムーズになります。

理解されやすい文章の5W1H応用ですが、以下の順番を意識してみてください。『いつ(When)』『どこで(Where)』『だれが(Who)』『なにを(What)』『どのように(How)』。いつ、どこで、だれが、なにを、どうした。この順番です。

通常の5W1Hと比べて、ひとつWが少なくなっています。『なぜ(Why)』が減っていますね。『なぜ』という理由を記載した方が理解が進むとは思うのですが、これは文章で表記する場合の話ですから、1文の長さというのを忘れてはいけません。ひとつの文章にあれこれ詰め込むのはNGというやつですね。

『なぜ』を伝えたいのであれば、別の文章にすればいい。いつ、どこで、だれが、なにを、どうした……を伝えたあとで、次の文章で、なぜなら〜〜を伝える。5W1Hのひとつ『Why』は、あとで伝えたらいいのです。

日本語文章の語順に、4W1Hが適している証明として、ひとつの例文を挙げてみましょう。

例文1:サキュバスの格好をした女性にフランケンシュタインの格好をした青年は渋谷のスクランブル交差点で10月31日の未明に抱きついた

ハロウィンの渋谷をみましたか? 若者がヘンチクリンな格好をして、朝っぱらまで大声で酒を飲んだり女性を口説いたり口説かれたり口説かれるのを待っていたり……ゴミを路上に捨てて酔っ払った挙句に吐瀉物を撒き散らしたり、その惨状といったらもう。という当日の一幕を例文に挙げてみました。

例文1は、語順をめちゃくちゃにしています。『なにを』『だれが』『どこで』『いつ』『どうした』になっていますね。これが理解しにくい語順です。では、理解されやすい語順に直してみましょう。

例文2:10月31日の未明に渋谷のスクランブル交差点でフランケンシュタインの格好をした青年がサキュバスの格好をした女性に抱きついた。

こちらは、『いつ』『どこで』『だれが』『なにを』『どうした』の順番になっています。例文の1と2を比較して、どちらが理解しやすいでしょうか。多くの人が1を選ぶことと思います。これが、日本語文章の語順4W1Hです。

ただしこの投稿に書いているように、日本語は変化をしていくもの。また語順が基本通りでなくても、伝えることは可能です。場合によっては語順を基本からずらしたことで、強調される要素が際立つことも。目的によって語順を使い分けるのがベストです。あくまで基本の語順を紹介しましたので、ご自身の文章で伝えたい内容によって、最も効果的な順番を考えてみてください。現場からは以上です。