ライターの良し悪しを測る方法、4項目で確認するチェックリスト

ライターの良し悪しを測る方法、4項目で確認するチェックリスト

コンテンツ作成において、量より質が求められるようになりました。質の低い記事を発信することは、企業にとって損失を生み出す可能性もあるのです。では、いかにして良いコンテンツをつくるのか。

外部ライターに依頼している場合であれば、「良いコンテンツをつくれるライターなのか」という見極めが必要です。ライター・プランナーとして受発注経験のある著者が作成した、本当に良いライターを見つけるためのチェックリストとともにお届けします。

別の記事でも同じような内容を書いたのですが、師匠から「別の視点で書いてみて」と指示された結果、本稿を書き上げることになりました。「いやいや、前回のやつが一番いいと思って書いたんですけど……」と口ごたえしたところあいつ師匠がいうには「クライアントからOKが出なかったらどうするんだ? これが最高なんですで突っぱねるのか?」とのこと。

僕はただ、うつむくしかありませんでした。そしたら「寝てないで書け」と叱咤激励。筆を取りましたが、根本はかわっていないかもしれません。ごめんなさい。

量より質が求められる現代。

コンテンツ作成において、かつては「質<量」が重視され、とにかく大量のコンテンツを求めいていました。ところが最近では、「質>量」を重視する企業が増え、より本質的なコンテンツ作成・発信が求められています。

良質なコンテンツを作成するためにも、ライターを厳選する必要が出てきました。以前の「質<量」という考えで依頼をすると、企業側は大きな損害を被る可能性も。またライター側も、良質な記事を提供しなければ生き残れなくない時代に入りました。

そこで、IT業界・映像業界でライター・プランナーとして発注・受注双方の経験がある筆者が、発注の失敗経験から学ぶ『本当に良い』ライターの見極め方や仕事内容、具体的な発注・受注方法などをご紹介したいと思います。

『安い』だけのライターは損失につながっている

良いライターとは『良い』ライターとはどんなライターかと聞かれたら、真っ先に『納期が守れる』『正しい日本語が使えるのは大前提』『費用が安く・質が良い記事を書くライター』と答える発注者が多いでしょう。でもズルい。『早い・安い・上手い』の三拍子を答えたら、そりゃそうですよ。でも、そんなワガママは放っておくとしても、早い・安い・上手いの条件に合致したら、本当に『良い』のでしょうか?

筆者も発注の際にハマった落とし穴ですが、必要以上に安い単価でライターに仕事を依頼することは、結果的に高くつきます。なぜかと言うと、安いがために自分の課せられた仕事範囲でしか仕事をしないのです。実例をひとつ挙げてみましょう。

あるIT企業の依頼で作成した、ソーシャルゲームシナリオに関する添削をしたことがあります。ライターは外部のフリーランスを起用したのですが、納期を守り、低価格で受けてくれて、ストーリーはしっかりしていたので、誰もが『良い』ライターだと思い込んでいました。

しかし、よくよくそのシナリオを読み返してみると、ゲームの購買層や販売戦略、ゲーム内導線による課金誘導がまったく考えられていなかったのです。結果、シナリオを書き直すことになり、多くのスタッフや打ち合わせ時間が必要となり、発注費の何倍ものコストが発生しました。

それはそれは、上司や先輩から激しく叱責されましたよ。でも、彼らも何の疑いもなく「良いシナリオが上がってきた」と僕に渡したんです。ひどい話ですよね。こんな経験をいくつかするなかで、本当に良いライターの見極め方ってなんだろう? と考えるようになりました。あのときお世話になった先輩は、僕に考えることを教えるために無駄なことをさせ、(迫真の演技で)怒ってくれた。恵まれてるなあ。

『本当に良い』ライター=発注者と購買者の目線に立つライターの原理

『本当に良いライター』とは、『発注者と購買者の目線に立って物を考えることができる人物』のことを指します。発注された仕事であっても、設定内容に不備があれば自分からそれを指摘し、改善策を提示してきます。

例えば、下記のような案件の場合(極端な例です)。

【依頼概要】
・40代女性向け化粧品の販促ポスターの文言作成
・グラビアアイドルがポスターの中央でポーズをとっている。

【テキスト内容】
・女優のセリフ30文字程度
・40代女性が商品を欲しくなるようなキャッチーなものにすること。

この依頼を見た『本当に良い』ライターは、最初はライティングを行ないません。セリフを提出する前に、消費者ターゲットとポスターの内容が噛み合っていないことを進言します。

購買層とモデル女優が合っていないことや商品の画像がポスター上に無いをはじめ、ポスターの掲示場所の確認や長文のセリフより短いキャッチコピーの方が記憶に残りやすいなど現状の問題点を指摘し、こういった対策をとるのはどうかと提案するのです。

そうやって発注者としっかりとした意思疎通、仕事内容の整理が出来てから『良い』ライターは仕事にとりかかります。

『本当に良い』ライターの見極め方と受発注方法!

これでわかる、ライターの良し悪しでは、実際に発注する際に、『本当に良いライター』をどう見極めれば良いでしょうか? また、受注側として『本当に良い』ライターになるにはどうしたらいいでしょうか?

前述したように、『本当に良い』ライターは仕事内容の目的や問題を把握し、時には提案が出来る人物です。『本当に良い』ライターをに極めるためには、過去の成果物を見るだけでなく、テスト課題を出して、実際に打ち合わせをするのが一番です。

資料を発注側で固めて出す課題テストではなく『お菓子を美味しそうに見せるキャッチコピー』・『献血の集客ポスター文言』などシンプルな課題を出しましょう。表示形式や文字数などを伝えないのも有効です。

要注意なのが、価格の設定です。発注者としては安ければ安いほど良いのですが、ライターも人間です。料金が安ければ安いなりの時間しか割けず作業が雑になってしまいますし、仮に優秀な人材を安く捕まえたとしても他社に高額で引き抜かれてしまいます。

そのため、『良い』ライターであれば最低でも相場価格以上の価格を設定した方がいいでしょう。例え無料でライターを雇ったとしても、その手直しに社内スタッフ数名を二日も使えば数万~数十万の費用がかってしまいます。

『本当に良い』ライターのチェック表

ご覧になっているみなさんが、良いライターに出会えているか疑問になったとき、以下の項目をチェックしてみてください。

発注者目線での提案が出来る
購買層(読者)目線での思案ができる
発注費用が適切である(安すぎない)
不足した情報を自分で集めることができる

良いライターとの出会い方

僕なりに考えてみた、『本当に良い』ライターの見極め方をご紹介いたしました。たった4項目で完璧に見極められるかと問われたら、確かに足りない項目があるかもしれません。なんて言い訳ではなくて、実際には、深い人間性までもが、ことライティングという仕事には関係してくると思うのです。

本当に、全幅の信頼を寄せるライターを探すためには、何度か仕事を一緒にやってみる必要があるでしょう。千里の道も一歩からと申しますか、物事には必ず、“初めて”が存在します。良いライターと付き合っていくための一歩目。最低限の条件で見極める方法だったとご理解ください。素敵なライターとの出会いがありますように。