ライターとして生きるなら、誇れる仕事・大きな仕事にチャレンジしよう

ライターとして生きるなら、誇れる仕事・大きな仕事にチャレンジしよう

ライターに限った話ではありませんが、仕事をするなら、人に自慢したくなるような、大きな何かを成し遂げたいと思いますよね。田端信太郎さんが上梓したばかりの書籍『ブランド人になれ! 会社の奴隷解放宣言』を読んで、改めて思い知らされました。職種に関係なく、会社勤めをしている人であれば、参考にしたくなる至極の名言がたくさん出てくる一冊です。

SNSを出火元として、過激な発言を繰り返す田端さんですが、一般的な印象とは大きく違う真面目な話が展開されています。わたしは数年前に一度だけ、取材をさせていただく機会がありました。

そのときから、今ほどではないですが、歯に衣着せぬ発言をなさっていた氏です。がしかし、実際にお会いしてみると物腰が柔らかく、丁寧な人物であったことに驚かされたのを思い出します。「スーパーサラリーマン」と評されることも多いようですが(?)、その冠に恥じない(?)、礼節をわきまえた大人でした。田端信太郎さんが送る、仕事論、労働観が冴え渡る本書について、ちょっと紹介させていただきます。

会社員の特権は、クビになったら終わること

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『ブランド人になれ! 会社の奴隷解放宣言』は、SNSで繰り返される過激発言はなりを潜め、至極真っ当で、大切なことが語られている書籍です。丁寧な言葉で紡ぎ出される氏の労働観は、サラリーマンに勇気を与えてくれるように思いました。田端さんが本書でもっとも伝えたかったことは「もっとチャレンジングな仕事をしよう」ということではないでしょうか。「サラリーマンは失敗してもクビになったら終わり。それ以上の責任を負わされることはない。だから安心しておっきな仕事に挑戦しようぜ」とエールを送られた気分になるんです。

誰しもが、SNSで莫大なフォロワー数を稼ぐ人になれはしない

たしかにサラリーマンは有限責任のもとで働いており、大きな失敗や甚大な損害を会社に与えたとしても、犯罪でも犯していない限り、極刑がクビです。これが経営者となると、その責任範囲は一気に広がります。

いくら売り手市場だからといって、いきなりクビになったら生活に窮するかもしれません。でも日本という国にいれば、本当に生きられなくなることは希。食べていくためだけの仕事であれば、すぐにでも見つかるでしょう。だのになのに、いったい何にそんなに怯えているんだろう。なんてことを考えされられました。

書籍のタイトルには『ブランド人になれ』とあります。著者の田端さんは、たしかに『ブランド人』でしょう。牛の世界ならば、松坂牛や米沢牛に匹敵するほどの『ブランド人』。SNSのフォロワーは、16万人を超えています。

どんな書籍なのか

目次
はじめに 真面目に働くのをやめましょう

第1章 仕事とは何か
・辛い仕事ほど給料が安く、楽しい仕事ほど給料が高い
・誰にでも出来る仕事をするな
・生産性ってしってますか?
・さらば昔のサラリーマン
・これからは「最強サラリーマン」の時代
・くだらないことをやめる
・カネではなく価値を稼ぐために働く
・個人の名前で仕事をもらえ
・選ぶべき会社、選ぶべき仕事
・働いたら負けだと思っている

第2章 マーケットにさらされろ
・市場を意識しろ
・株、仮想通貨、なんでもまずやってみろ
・リア充たれ
・今からこの水を売って来い
・あなたはいくら給料が欲しいのか
・就職面接では何を語るべきか
・市場を観察する。きめ細かく。
・一所懸命ではなく自分はどこで輝くのか見極めろ
・そのサービス、その商品は何のためにあるか
・商売の基本は相手を想像しきること

第3章 発信者たれ
・フォロワー1000人いかないやつは終わっている
・全発信者時代の意味
・フォロワー数があなたの価値だ
・誰もやっていないことを探せているか?
・評価経済の勝ち組と負け組み
・会社人が個人で発言する意味
・会社に怒られてもへっちゃらだ
・炎上しない奴は燃えないゴミだ

第4章 伝説的なプロジェクトを作れ
・倒産寸前の会社、二部リーグの組織へ行け
・会社にどれだけ大損をさせられるかがあなたの価値だ
・サラリーマンほどリスクを背負える立場はない
・会社の名前ではなくプロジェクトの名前で自らを語れ
・君は目の前のプロジェクトにワクワクしているか?
・LINEから●●にうつった理由

いやいや、「ブランド人になれ」といわれても、誰しもが10万人ものフォロワーを抱えることはできませんよ。そんな気分にもなりそうですが、わたしたち凡人が目指すべきはそこじゃない。

仕事において名刺代わりとなるような、「あの仕事を手がけた人」と言われるような、わくわくするデッカい仕事をすることだと思うのです。本書を読んで感化されて、あわててSNSのアカウントをつくる必要はありません。

あなたがいま所属している会社で、大きな仕事を手がけるだけ。現状でチャンスを掴んでいないのであれば、取りにいきましょうよと語られています。

ライターがブランド化する時代

わたしたちライターの仕事においても、「あの広告コピーを書いた人」とか「あのバズった記事をつくった人」のように、名刺代わりになるものが存在します。クライアントワークであれば、自分が携わったことを公にできないものもあるでしょう。守秘義務があるのに公言してしまうのは、やっぱりルール違反です(バレてもクビより重たい罰則は受けないかもしれませんが)。

であれば、自分の名前が載る仕事をひとつふたつ手がけてみてはいかがでしょうか。記名記事のほうが価値が高いとは思っていません。匿名であろうがゴーストであろうが、優れた文章はいくらでもあるのですから。

でもライターとしてブランド人になりたいなら、ブランドライターになりたいのならば、「名前を出してくれ」「ポートフォリオに加えさせてください」の主張をしたらいい。自分の書いた文章で大勢の人間が行動に移すような、大きな仕事を掴みにいけばいい。

そんなことを思った読書体験でした。現場からは以上です。