経理代行って何？ 依頼できる内容とは？ なぜ経理代行を利用するのかがわかる記事になっています。
少子高齢化で慢性的な労働力不足が加速している今、事務作業にかかる費用や時間の負担を軽減し、業務の生産性を高めて少しでも利益を上げることは、多くの企業の課題です。
事務的な作業が多い仕事といえば、会社の経理業務。経理の仕事は緻密な計算が必要ですが、業務の正確性と決算時期に間に合わせるスピード感も求められるため、一定の経験やスキルも重要になる仕事です。
経理代行の利用は、本当に業務負担軽減になるのでしょうか。
経理代行とは、経理業務のアウトソーシング
経理代行とは、企業の経理業務を外部の専門業者にアウトソースするサービスです。一定のスキルが必要な経理業務だからこそ、専門の業者にアウトソーシングすることでさまざまな負担を軽減できるのが、経理代行サービスなのです。
どこからどこまで依頼できるの？経理代行の仕事内容
一般的な経理業務は、日々の仕入と売上の記帳、現金管理、請求書の発行や請求書の対応、決算書類の作成などがあり、ほとんどの経理代行業者でこれらの経理業務の対応が可能です。
ただ、多くの中小企業では、経理業務と関連業務の垣根が低く、経理担当者が給与計算などの労務業務、税務計算などの税務会計業務などもこなす場合が多くなっています。中には、経理・労務・人事を一気に担う経理担当者もいるのではないでしょうか。
経理業務をアウトソースするうえで、これらの関連業務はどこまで対応できるのかが気になるところです。
経理代行サービスを提供する会社によっても対応の幅は変わりますが、上述した経理業務だけの対応プランもあれば、給与計算や税務会計などの関連業務も含めて経理業務をお願いできるオーダーメイドのプランも用意されていることがほとんどです。
経理業務のどの部分を効率化させたいのか、予算やお願いしたい業務範囲を明確にし、各社のプランを比較してみましょう。
経理業務を代行したら、何がどう変わるのか
経理代行の大きな特徴は、経理のプロに業務を任せて本来の営業活動に集中できるという点にあります。うまくいけば業務効率を改善できるだけでなく、経理担当者を雇うより人件費を適正化できる可能性もあります。
上手に活用すれば業務効率化と人件費の適正化に
経理業務はルーティンワークが多く、業務内容が定型化しているため、経理担当者の経験が長くなるほど業務にかかる時間も短縮できる傾向にあります。
しかし経理業務を担当する社員は女性が多く、結婚や出産などで定期的な離職者が発生することは避けられません。
担当者が辞めるたびに新担当者が業務に慣れる時間や採用にかかる費用が必要になります。また女性の働き方が多様化していけば、人材の流出が止まる可能性は少なく、いかに優秀な経理担当を確保しておくかは大きな課題です。
経理業務は会社経営に関わる重要な仕事で、おざなりにできるものではありません。だからこそ、経験値が高く、長く定着してくれる人材を適切な費用で確保できる経理代行は、現代の企業のニーズにマッチしたサービスといえるのではないでしょうか。
経理代行業者に事務的な業務を任せることで、経理担当者が辞めたときの引継ぎや採用にかかる時間や費用が不要になります。もちろん、どんな経理代行業者でも確実にうまくいくとは限りません。
自社の経理業務に関する事務的な負担をうまく軽減してくれる、適切な経理代行業者を見つけることが、経理業務の効率化を成功させる鍵になります。
経理代行を検討する際は、そのような経理業務に時間や費用がかかっているのか、具体的に数字を出して改善したいポイントを明確にしましょう。
そのうえで、経理代行業者の契約プランやサービスを比較することをおすすめします。
経理代行の上手な活用事例をご紹介
経理代行を活用するうえで忘れてはいけないのは、あくまでアウトソーシングだということ。自社の社員と同じレベルで細かい経理業務を網羅することはできません。
経理業務を幅広く任せることよりも「時間がかかりやすい事務業務」に絞ってアウトソーシングする方が、費用も時間も効率化しやすくなるはずです。
例えば取り扱う品種が多く、専用システムを利用しても記帳の時間がなかなか短縮できない企業の場合、複雑な記帳業務をまず経理代行に依頼しましょう。
決算書の作成や報告など経営に近い業務に集中できる環境を用意し、経理担当が経営状況をシビアに見られる視点を養いましょう。
また請求書発行が多い会社では、人材が不足して請求書の処理にミスが生じると取引先の信頼を損ねてしまいます。
記帳業務と請求書に関する業務を経理代行に依頼し、ミスがない体制を構築すれば取引先との信頼を損ねず、決算業務や税務会計などの業務に注力しやすくなるのではないでしょうか。
まずは現在の経理業務を振り返り、その業務の人手が不足しているのか、ミスが発生しがちな業務はないかなどの状況を確認することが大切です。
経理代行をお願いするならどこが良い？
先述したとおり、経理代行業者選びは、効率化成功の鍵になります。しかし、ネットで探しても多くの業者が出てきてしまうものです。
プランや費用を比較して、それほど変わらないとなると、結局どこに依頼すべきか悩みますよね。依頼時に知っておきたい業者選びについてご紹介します。
経理代行業者とクラウドソーシングがある
経理代行業者といっても、会計事務所など経理や会計のプロが運営している場合もあれば、人材派遣を行うアウトソーシングの業者が運営している場合もあります。
経理代行業者を選ぶときは、運営の母体がどうなっているのか、実際に経理業務を担当する者の経験値やスキルはどの程度あるのか、使用する会計ソフトはどのようなものかなどを確認しておきましょう。
また、経理代行に近しいサービスとしてクラウドソーシングを活用した経理代行もあります。
クラウドソーシングとは、インターネット経由で仕事を外注したい企業と仕事を受けたい人をつなぐマッチングサービスです。
クラウドソーシングで経理代行を依頼する場合、業務内容や費用は依頼する企業と依頼を受ける人の間で個別にやり取りができるため、ある程度オーダーメイドな依頼が可能です。
また、アウトソーシング専門会社ではない分、費用を抑えやすいというメリットもあります。
それぞれのメリット、デメリットや適した使い方をご紹介
業務内容が明確な経理代行は、運営の面で不安が少なく、業務依頼の窓口も一元化されています。
個別のやりとりに時間がかかることなく、安心して経理業務を任せやすいというメリットがある一方、クラウドソーシングに比べると費用が割高になりやすいというデメリットもあります（ケースバイケースですので、一概にはいえません）。
不特定多数の人材が登録されているクラウドソーシングは、双方の合意の元で経理業務を自由に設定できるため、柔軟な対応をお願いでき、費用面を抑えやすくなっているのがメリットです。
しかし、不特定多数の人が集まるということは、担当者のレベルにばらつきが出やすくなるという不安要素もあり、直接やり取りして仕事を依頼する担当者を選ばなくてはいけないという手間もデメリットといえます。
経理代行もクラウドソーシングもそれぞれの良さがありますが、結局は経理業務をメインで担当する担当者の資質が業務の質を左右します。
できれば複数利用し、自社の経営活動に適した優秀な経理担当を見つけたいものですね。
クラウドソーシングを活用するならランサーズがおすすめ
「経理代行に興味はあるけれど、どの程度負担が軽減するのか試してみたい」という場合には、まずクラウドソーシングで簡単な経理業務を依頼してみてはいかがでしょうか。
クラウドソーシングを利用する場合、経理や会計など、各分野のスペシャリストが集うランサーズがおすすめです。