ダイレクトマーケティングはネット時代に合致したマーケティング手法
インターネットが普及する前は、消費者が受け取る情報も多くはありませんでした。そのため、テレビCMさえ流していれば確実に視聴者に商品を知ってもらうことができたのです。
しかし今の時代、情報はユーザーが自分で取捨選択するものとなりました。今までのやり方ではモノが売れない……そんな声が聞こえるようになった今、ダイレクトマーケティングが台頭してきています。
中間業者を介さずに商品を直接販売!
ダイレクトマーケティングは顧客と直接的な交流を図りつつ、顧客本位のプロモーションを展開していく手法です。昔は消費者が商品を購入するのは圧倒的に小売店が多かったので、このようなやり方は通信販売ぐらいしかありませんでした。
しかし誰もがネットに接続して情報を得られる今、買い物はネットショッピング中心となりました。SNSの影響もあり、企業とユーザーの距離が近くなったため、顧客一人一人を大事にしたマーケティングが求められています。
顧客へのまめな営業活動やコミュニケーションが大切
消費者にダイレクトに営業をかけるというと、ダイレクトメールや電話、訪問販売をイメージしてしまいますよね。しかしダイレクトマーケティングの肝はそこにあるのではありません。消費者とうまくコミュニケーションを取りながら、レスポンスを測定・検証していく。
そのデータを活かし、改善すべきところを改善し、最終的に顧客との良好な関係を築いていくことに重点を置いているのです。会員登録や資料請求などのレスポンスがあった顧客に対してのみ営業を行うことで、コンバージョン率アップを狙えます。
通販=ダイレクトマーケティングというわけではない?
ダイレクトマーケティングは中間業者を介さない、と聞いて、すぐに思い浮かべるのは通信販売でしょう。確かにダイレクトマーケティングは電話や郵便による通信販売の注文が原点です。
しかし現在は、通信販売はダイレクトマーケティングの一種でしかありません。通信販売も含めた、もっと幅広いマーケティング活動をダイレクトマーケティングと呼ぶようになっています。
ダイレクトマーケティングの特徴は?まめな営業活動が必要?
消費者と直接的な取引を行うのですから、当然、ダイレクトマーケティングの戦略のメインは営業です。
訪問、DM、カタログ、電話……アプローチの方法あれこれ
昔ながらの方法というと、やはり戸別訪問が挙げられます。しかし働く女性も増加している現代、昼間から在宅している人の数は昔ほどは多くありません。それでも飛び込み営業が廃れない背景には、まだまだ効果があるということでしょう。
ダイレクトメールや電話は、顧客にとって何ら関係のない売り込みの場合は意味がありませんが、そうでない場合は有効です。カタログも、ユーザーのほうが要求した場合はコンバージョンが見込めます。古いやり方でもう流行らない……と思うような方法でも、意外と結果が出せたりするものです。ネットであれば、さらにアプローチの方法は広がります。メール、メールマガジン、SNSなど、様々な手段を試してみましょう。
店舗を持たない業者のマーケティング戦略とは?
ネットショップ開業が簡単になりましたが、実店舗を持たない業者はどのような営業をするのでしょうか。Webサイトや商品ページがそのまま店舗のようなものですから、アクセスしてもらわなければ始まりません。ですが、それほどネットに接続しない人は、キーワード検索などもあまり行っていないかもしれません。
テレビCMでわざわざ検索するためのキーワードを指定していることがあります。それぐらい親切に誘導しないと、集客は難しいという考え方です。名刺やチラシなどの印刷物に二次元コードを載せて、サイトや商品ページに誘導するクロスメディア的手法もあります。
誰彼構わずプロモーションを展開するわけにはいかない?
ダイレクトマーケティングには地道な営業が欠かせませんが、きちんとターゲットを絞り込む必要があります。そのために必ず行わなければいけないのが顧客分析です。
ダイレクトマーケティングにRFM分析が不可欠なのはなぜ?
顧客分析の一種であるRFM分析は、顧客を三つの指標で分類する方法です。
- Recency(最新購買日)
- Frequency(購入の頻度)
- Monetary(購入金額)
以上の三つで顧客を分析し、分けた上で対策を講じるのです。
経費がかさむのがダイレクトマーケティングの弱点
顧客分析が必要な理由として、経費削減が挙げられます。ダイレクトマーケティングの大きな弱点がここにあります。ターゲットをうまく絞り込まないと、どんどん費用がかさんでいってしまうのです。予算は限られているわけですから、不特定多数にアプローチするというわけにもいきません。そのために顧客分析を行う必要があるというわけです。
セールスリード(見込み客)を絞り込むための分析
RFM分析でまずは顧客をランク付けし、グループ化します。RとFとM、それぞれの数値が高いほど優良顧客であることは間違いありません。そこからさらに分析を深め、将来的に優良顧客となるセールスリード(見込み客)をも割り出します。例えばFの「頻度」が低くても、Mの「購入金額」が高ければ、その人は優良顧客となり得るわけですね。
優良顧客を選別し、良好な関係を築いていこう
このように顧客の購買行動を調査・分析して、個々の顧客に適切なアプローチをかけていくことが大事です。年に何回も買い物をする顧客と、年に一度しか買わなくてもそれが高額商品である顧客は、対応を変えたほうが効果が上がります。顧客によって買い物の仕方は異なります。
緻密な分析でそれを見抜き、個別に営業をかけることが、これからのダイレクトマーケティングの有り方です。ダイレクトメールにしても、すべての人に同じ内容のものを送信しても意味がありません。分析結果を参考に、それぞれの顧客の購買スタイルを捉えたアプローチを心がけてください。
ダイレクトマーケティングをサポートしてくれる人材をゲットしよう
ダイレクトマーケティングの活動をする上で問題となってくるのが人手不足でしょう。
業務内容が多すぎる!面倒なことは外注に任せるという選択肢
ダイレクトマーケティングを行う上で人手が足りないと感じたら、外注に仕事を依頼することも視野に入れてみると良いです。RFM分析、あるいは他の分析による顧客分類は、一度やれば終わりではありません。常に見直しをしながら、その時々に合わせた戦略を考える必要があります。