ベイジアンネットワークとは? その活用方法をわかりやすく解説!

ベイジアンネットワークとは? その活用方法をわかりやすく解説!

ここ10年の間で、Webマーケティングの分野は大きく発展しました。そんな中で登場したのが「ベイジアンネットワーク」です。この記事ではベイジアンネットワークの概要とその活用方法をわかりやすく解説します。

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ベイジアンネットワークとは?どんな場面で活用できるの?

ベイジアンネットワーク
ベイジアンネットワークとは、18世紀の数学者トーマス・ベイズが提唱した「ベイズの定理」を利用した推論手法のことを指します。

ベイズの定理は、「とある事柄が発生する可能性を条件付き確率を利用して推論する定理」です。この定理を利用したベイジアンネットワークは、単純な数式で表すことができないものを確率ネットワークの形で表現します。

他の統計解析に比べると、無限ともいえる数の変数を計算できるのが特徴です。将来、AIに搭載されるアルゴリズムはすべてベイジアンネットワークになるかもしれないと言われています。

ここで語句解説引用バージョン。

ベイジアンネットワーク(英: Bayesian network)は、因果関係を確率により記述するグラフィカルモデルの1つで、複雑な因果関係の推論を有向非巡回グラフ構造により表すとともに、個々の変数の関係を条件つき確率で表す確率推論のモデルである。ネットワークとは重み付けグラフのこと。
引用:Wikipedia

意味不明ですね。

ベイジアンネットワークが利用されている場面

では、ベイジアンネットワークはどのような場面で利用されているのでしょうか? 私たちにとって最も身近なところだと「ネット通販のレコメンド機能」が挙げられます。大手通販サイトなどでは、ユーザーのWeb閲覧履歴や購入履歴などからおすすめの商品を提示していますよね。

このレコメンド機能は、単純に言うと「商品Aを買った人が商品Bも買う確率」をベイジアンネットワークを利用して計算して表示させているものです。また、顧客満足度をアップさせる取り組みを決める際にも利用されています。

ベイジアンネットワークでとある行動をとった人が次にとる行動の確立を計算することで、顧客満足度を上げるための取り組みを決定することもできるようになるのです。将来的にはベイジアンネットワークを搭載したAIも登場するでしょう。

ベイジアンネットワークをAIに搭載することで、より複雑なビッグデータの解析も可能になり、確立や因果関係を明らかにすることができるとされています。

活用することで原因と結果のつながりが分かる

ベイジアンネットワークを活用すると、現在起こっていること(結果)とその原因を入力することで、2つの間にある繋がりを推測することができるようになります。また、原因から発生しうる結果の予測とその確率も計算することも可能です。逆に期待する結果を導き出すためにはどうすれば良いのかを推測することもできます。

ベイジアンネットワークを活用することで

  • この取り組みを行うと、顧客はどういう行動を起こすのか
  • 顧客にAという行動を起こさせるためにはどうするのが良いのか

を推測することができるようになるのです。

ベイジアンネットワークは以上の点から、マーケティングにおいて盛んに活用されるようになってきています。他の推計方法では難しい推測も行うことができ、ありとあらゆる場面をシミュレーションできるのもベイジアンネットワークの魅力です。

ベイジアンネットワークを効果的に活用するには?

ベイジアンネットワークを効果的に活用
Webマーケティングにおいてベイジアンネットワークを効果的に活用するには、アンケート結果の集計やテキストマイニングと合わせて利用するのがお勧めです。

アンケート結果の集計に役立てる

(独)産業技術総合研究所によって開発された「BAYONET」は、ベイジアンネットモデルを構築するためのツールです。BAYONETを利用することで、アンケート結果から「どんな人がどういう行動を取るか」お因果関係をネットワークモデルの形でとらえることができるようになります。

例えば、とあるレストランを訪れた客にアンケートを取ったとします。その結果から

  • 年代
  • 性別
  • 同伴者の有無
  • どうしてそのレストランを選んだか

などをベイジアンネットに反映させることで「どういう属性の人がそのレストランを利用するのか」を把握することができるのです。どういう属性の人が利用するのかがわかれば、顧客満足度を上げるためにどうすれば良いのかも見えてきます。

いくつかの要素を固定することで、他の要素がどういった状態になるのかを推測することもできます。20代の男性が一人でレストランを利用した結果、リピートする確率はどれくらいなのか、どんなメニューを頼む確率が高いのかまで知ることができるのです。もちろんベイジアンネットワークが活用できるのはレストランの利用状況アンケートだけではありません。

テキストマイニングと合わせて利用するのがおすすめ

ベイジアンネットは、テキストマイニングと合わせて活用するのもお勧めです。テキストマイニングは、膨大なテキストデータを分析・解析するデータ解析の手法です。
テキストマイニングで得られた結果をもとにベイジアンネットワークを構築すると、どういう行動をとるとより顧客満足度が高まるかを予測することができます。

以上、ベイジアンネットワークの解説でした。何かの足しになれば。