フリーランス・個人事業主の健康保険は、どれに入るのが最適か

フリーランス・個人事業主の健康保険は、どれに入るのが最適か

社員時代はあまり気にしていなかった健康保険も、フリーランスになったら気にしはじめることでしょう。なぜならフリーランスは、健康を全て自己管理する必要があるからです。手続きについてだけではなく、フリーランスにとっては健康保険料もかなりの重荷です。健康保険でフリーランスが注意する点、お得になる情報などを確認していきます。

フリーランスになったら健康保険は自分で管理

フリーランスになる時には、それまで会社が行なっていた事務的な手続きを自分でしなければなりません。厚生年金から国民年金へ、そして健康保険もまた同様の手続きが必要です。

国民健康保険に加入する場合には、住民票のある市区町村役所で手続きを行ないます。あるいは現在入っている会社の保険を任意継続する方法もあります。その場合は会社の加入している保険によって、社会保険事務所か健康保険組合で手続きをします。

いずれにしても、本人確認書類、住民票、印鑑など、また他に必要となる書類などに関して確認し、各事業所へ自分で出かけなければなりません。離職後早めに手続きを行なわなければ、無保険状態の期間が生まれてしまいます。

フリーランスはすべてが自己責任です。誰からも指示はありませんので、手続きが遅くならないように気をつけてください。

フリーランスになった時、健康保険はどうするの?

フリーランスは、自分の身体が資本です。病気になり作業が滞ってしまうと、会社員時代のような保障もなく、即、死活問題となります。

会社に保険証を返す時には心細さを感じますが、実際問題としてすぐに代わりとなる健康保険を取得する必要があります。取りあえず現状のままを希望する際には、会社の保険を任意継続させることができます。条件などを確認して必要書類をそろえ、所定の機関に申請書を出します。

ただし、継続できるのは2年間です。いずれは国民健康保険への切り替えが必要となります。すぐに国民健康保険に切り替える場合には、離職日が確認できる書類を持って、住民票のある役場で手続きします。

その他の方法としては、健康保険の被扶養家族に入るという選択もあります。親や配偶者の保険の被扶養者となれば、保険料の負担が軽くなります。

申告と関係あり?フリーランスの健康保険

フリーランスになった当初は、まだ収入が少ないから面倒のない白色申告でいいか…と考えている人もいるでしょう。通常、国民健康保険は社会保険控除、基礎控除にしか関係していないと思われています。

しかし、青色申告の中では、健康保険料は事業収入と必要経費、基礎控除から計算されます。必要経費をきっちりと申告することで、国民健康保険の金額を下げることも可能なのです。

市町村によっては「国民健康保険料」を「国民健康保険税」と表記しているところもあります。実は国民健康保険は、地方税の一種です。

フリーランス生活では青色申告をしっかりと行なうと、必要経費の計上が「節税」につながり、翌年度の国民健康保険料が減額される可能性が大きくなります。

フリーランスの健康保険をお得にする方法

フリーランスになれば、国民健康保険を選択するしかないと思われがちですが、職種によっては自治体の健康保険より安く加入できる保険もあります。

「文芸美術国民健康保険」は、制作系フリーランスのための健康保険です。加入できる職種としては、イラストレーターやグラフィックデザイナー、Webデザイナー、漫画家、カメラマン、コピーライター、アニメーターなど。

所得に関係なく保険料は一律で、地方自治体の国民健康保険よりも負担を抑えられます。2015年4月からは組合員月額は13,800円です。40歳以上の介護保険分(月額3,600円)は含まれておらず、年齢によりプラスとなります。

希望すれば家族分を追加加入も可能です。ただし誰でも入れる国民健康保険とは異なり、加入するためには指定団体の会員となっている必要があります。興味があれば資格が取得できるかどうか、調べてみてはいかがでしょう。

住む場所でも違う?健康保険料の金額

国民健康保険に加入していて引っ越しの経験がある人はおわかりと思いますが、保険料は自治体によって異なります。「国民健康保険」という名称ではありますが、管理は各市町村に任されているため徴収される金額も異なるのです。

同じ条件であっても、年間で数十万円の違いが出る場合もあります。現在、ネット上には国民健康保険料を計算できる、便利なサイトがあります。年齢や家族構成、収入を入れると瞬時に金額を知ることができます。フリーランスは働く場所や住居にとらわれないのも、魅力のひとつです。

国民健康保険の支払金額のみで、居住地を決めるのはさすがに難しいと思われますが、転居を決める際の要素として覚えておくと良いでしょう。ひとつ隣の町の方が、健康保険料を大幅に節約できるという場合もあり得えます。