コンテンツマーケティングの4メリット、未経験者こそ知っておこう

コンテンツマーケティングの4メリット、未経験者こそ知っておこう

数年前から、新しいマーケティングの手法として注目されるコンテンツ・マーケティング。実は取り入れたいと思っていた、やってみたいけどどうやるの? どんなメリットがあるのかわからない……。似たような質問をいただくことが、最近になってまた増えてきました。そこで今更ではありますが、コンテンツ・マーケティングの基本について解説します。コンテンツ・マーケティングを実施するにあたり、成功するための秘訣までご紹介しますので、ぜひ、参考にしてください。

コンテンツマーケティングとは何か?

コンテンツマーケティングとは、有益で価値のあるコンテンツを提供することで見込み客を獲得し、継続してコンテンツを提供することで興味・関心を喚起し、最終的に収益につなげるマーケティング手法のことを指します。

TVCMやダイレクトメールなどの従来型の広告手法とは異なり、ユーザーが必要としている情報(コンテンツ)をユーザーが必要としているタイミングで提供することで、ユーザーに見つけてもらうという、インバウンドマーケティング手法でもあります。

コンテンツには、自社が管理するメディア(オウンドメディア)を通じて、記事という形で情報発信するものが中心ですが、メールマガジン、ホワイトペーパーなど、顧客にリーチするあらゆるものが含まれます。

最近のトレンドとしては、動画やインフォグラフィック(情報を視覚的に表現したもの)を活用して、分かりやすく情報を伝える手法が注目されています。

なぜコンテンツマーケティングが注目されているのか?

マス向けのアプローチの効果が薄れてきている

インターネットやスマートフォンの普及によって、私たちが日々接する情報量は格段に増えています。情報量は増えたものの、もちろん個人の時間が増えるわけではないので、ユーザー自身が取得する情報を取捨選択するようになりました。

その結果、従来型のプッシュ型、またマス向け広告の効果が薄れる傾向がでています。そうした中で、企業のマーケティング効果を高める方法として、セグメントしたユーザーに適切なコンテンツを提供する、コンテンツマーケティングが注目されています。

Googleが良質なコンテンツを重視している

検索からの流入はWebサイトを持っている企業であれば、流入経路の中でも非常に重要なものです。検索シェアの大半を占めるGoogleが良いコンテンツを評価する検索アルゴリズム(仕組み)の改良を重ねており、これまでSEO(検索エンジン最適化)施策として行われていた「外部リンクを増やして検索順位を上げる」「低品質でも、とりあえずコンテンツの数を増やす」といった手法が、Googleの継続的なアップデートにより、評価されなくなってきています。この流れをうけ、多くの企業で良質なコンテンツの重要性が改めて認識されるようになってきています。

コンテンツマーケティング4つのメリット

コンテンツマーケティングのメリット

優れたコストパフォーマンス

ターゲット顧客を絞り、適切なコンテンツを提供することによって、より無駄打ちが少なく、ターゲットに刺さりやすい、費用対効果の高い施策を打つことができます。

顧客と長期的な関係が築ける

短期的な購買行動を促すだけでなく、その前段階の見込み顧客を顧客へと育成していくアプローチや購買後の顧客とのエンゲージメント(関係性構築)を強化することで、顧客と長期的な関係を築くことができます。

ソーシャルメディアによるリーチ

顧客にとって有益な情報を提供するため、顧客から別の人にFacebookやTwitterなどのSNSアカウントを通じてシェアされやすく、新規見込み顧客が増えていく仕組みを作ることができます。

コンテンツの蓄積による継続した集客

多くの広告はその場限りで、出稿を止めると効果が無くなってしまいますが、自社サイト内に蓄積した顧客にとって有益なコンテンツは、検索流入などにより、その後も効果が継続するため、使いきりにならず広告費の節約につながります。

コンテンツマーケティングを始めるには?

1.ゴールの設定

まず、コンテンツマーケティングを始めるにあたり、達成したいゴールを明確にします。自社のブランディングや業界のオピニオンリーダーのような定性的なものや、見込みリードの獲得数やリピート率など具体的なものを設定することもあります。ポイントとしては、後から検証できるようなものにしておくことが重要です。

2.ペルソナ(顧客のモデル)の設定

ゴールが決まったら次に、ターゲットとなる顧客像を明確にしておくことが重要です。明確な顧客像を作り、コンテンツマーケティングに関わる関係者で共有することで、適切なコンテンツがどのようなものであるかが見えてきます。年齢・性別・職業・趣味などの基本的な情報に加えて、その人の興味・関心や抱えている悩みなどを具体的に表すと共通理解として想像しやすくなります。

3.コンテンツ設計

次に、コンテンツの方向性や優先順位に応じてコンテンツ制作スケジュールを決めていきます。この過程で、顧客の購買までの流れを視覚化するカスタマージャーニーマップの作成や、SEO対策における重要度の高いワードの洗い出しやワードごとの現在の順位・アクセス数などを調べ、順位上昇による好影響が見込めるワードから優先的に対応することが重要です。このプロセスは数カ月後の施策の成否を大きく分ける重要なものとなります。

4.コンテンツ運用

設計に基づいてコンテンツを運用していきます。ここでは継続的にコンテンツを作成する体制作りや検証サイクルを回すことが重要になります。ライティングは外部のライターに依頼することが一般的ですが、ディレクションに関しては、リソースに応じて社内でやる場合とディレクションから外部へ委託する場合があります。

コンテンツマーケティング成功の秘訣

コンテンツマーケティングの成功には、何よりも高品質なコンテンツを継続的に運用できる体制構築が重要です。コンテンツマーケティングの広がりをうけ、オウンドメディアを立ち上げる企業が増えていますが、あまり上手くいかなかった事例には大きく以下の特徴が見られます。

だれをターゲットに情報を発信しているのかが不明確

メディアのコンセプトと更新されている記事に一貫性がなかったり、ただサービスに関する情報を一方的に更新したりと、だれ向けに書いているコンテンツなのかが分からないケースです。流行の手法なので、とりあえずやってみようと考えて始めたものの、企画段階での設計が不十分であったことが考えられます。

コンテンツの数が不足している

メディアを公開した時点では、数点の記事を公開したものの、その後数カ月で記事の更新頻度が落ちているケースです。良質なコンテンツであることがコンテンツマーケティング成功の大前提ですので、理想から言えば少ない記事でもターゲットに刺さる記事であれば良いのですが、初期段階においては、ある程度まとまった数の良質なコンテンツを揃え、まずはメディアとしての信頼を得ることが重要です。

いずれのケースにおいても、企画段階や運営フェーズでしっかりとした体制構築ができなかったことが要因と考えられます。コンテンツマーケティングは取り組んですぐに効果のでる施策ではないため、立ち上げにはそれなりのリソースが必要です。社内リソースで補えないスキルやノウハウは外部の協力を得ることも重要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。コンテンツマーケティングは成果が出るまでに時間がかかることもありますが、これからのマーケティングには欠かせないアプローチになっています。

まだ実施されていない企業の方は始めていただき、既に実施されている企業の方は改善しながら進めていただければと思います。素敵なライターとの出会いがありますように。