テープ起こしを外注するなら、費用相場と種類、ポイントを抑えておこう

テープ起こしを外注するなら、費用相場と種類、ポイントを抑えておこう

もう2年も前のことですが、日本テレビ系列で放映された連続ドラマに『校閲ガール』というのがありました。石原さとみさんがキュートすぎて最高でしたが、編集・校閲に関わる人からは賛否両論だったのを覚えています。で、校閲ではなくて文字起こしについての記事。テープ起こし(=文字起こし)を外注するメリット、外注先の選び方、抑えておきたいポイントとオススメの外注先について紹介する記事です。

ライターとして仕事を受けていると、自分がインタビューをした場合を含めて、音声データを参考にすることがあります。ときには音声をテキストに書き起こす(=テープ起こし)ことも。イベントレポート記事の場合は、テープ起こししたテキストを編集して納品するケースもあります。

テープ起こしなんて、聞いたことをテキスト化するだけですから、誰でもできると思われがちです。確かにテープ起こししたテキストを、きちんと編集なりリライトするのであれば、粗々な状態でも使えるのですが。

とはいえテープ起こしを自分でするのはけっこう苦痛。特にわたしは、自分の声が格好悪過ぎて落ち込むほどです。さらに、これは自分のスキル不足が原因ですが、どうでもいい質問をしてしまったり、やたらとインタビューイの発言に迎合した相づちを打っていたりで凹みます。

かたやネガティブなことだけではなくて、自ら聞き返すことで、インタビューやイベントの雰囲気や話者の抑揚までつかめるので意味はあるんですよ。でもつい、納期に追われた言い訳をして外注してしまうことも。

テープ起こしを外注することになったら、できれば、早くて正確で安いところを探したくなります。本稿では、テープ起こしを外注依頼する際のポイントや注意点、費用相場について書いてみました。テープ起こしを外注しようと考えているみなさんにとって、少しでも参考になれば幸いです。

目次

テープ起こしを外注するなら抑えておくべきポイント

ライターとして仕事をしている人であれば、テープ起こしについては充分にご存知でしょう。が念のため、テープ起こしとはなんなのかを調べておきましょう。

テープ起こし(テープおこし)とは、講演・会議・座談などで録音された人の言葉を聴き取り、その内容を文章に直す作業である。またはその作業を有償で請け負う職業をも指す。音声記録による言語情報は、複製と頒布、再生にそれなりの条件が必要で煩雑であることから、これを人力によって文字情報に変換することで取り扱い・読解を容易とする作業である。
引用:Wikipedia

録音されたデータ、音声データの発言部分をテキストにすることですね。今では、音声から自動でテキストが生成されるシステムやアプリケーションがありますが、一般的には人間が音声を聞きながらタイピングをします。

正直なところ、この作業が面倒なんです。記事をつくるためには、企画を立てて、材料を得るための取材をして、理解されて魅力的な文章を書くことが重要です。一連の流れのなかで、テープ起こしの重要度は低いということに異議はないでしょう。

テープ起こしは外注しない派数ヶ月前に有名なWebライターもしくはインフルエンサー、タレントライターの人がTwitterで「テープ起こしは外注しない。自分でやるから雰囲気も思い出せる」みたいなことを発信していました。確かに取材時の熱量を思い出したり、記憶に残っていない良い話を記事に入れるためには、自分自身でテープ起こしをするメリットがあります。でもね。「忘れる前に書いたらいいじゃん」「記憶に残らない時点で、本気で取材してないじゃん」とアマチュアを相手にするような暴言も吐きたくなる瞬間があります。

『鉄は熱いうちに打て』というように、記事は熱いうちに書くのが一番。少なくとも記憶がホットなうちに、プロットを作成したり、必要な部分だけノートやPCのメモ帳に記載しておくのがわたしのやり方です。それでも取材から時間が経過したり、そもそも書き起こしを求められた場合には、テープ起こしをパートナーさんに外注します。

テープ起こしの基本3種類

一口にテープ起こしといっても、その種類は大分して3つあります。テープ起こしの大分類について確認しておきましょう。

テープ起こしの種類1:素起こし

素起こしとは、ICレコーダーなどに録音されているそのまま、無駄と思われる発言までもすべてテキストにするテープ起こしです。機械的に、もしくは機械を使ってテープ起こしをするのなら、これが一番簡単でしょう。何も考えずに、耳から入ってきたことをタイピングするだけですから。

テープ起こしの種類2:ケバ取り

ケバ取りとは、録音データにある発言の中から、不要な発言を取り除いてテキスト化するテープ起こしです。

人が話をするときには、「あー」とか「えー」とか、それ以外にも話者の口癖が発せられています。「ちょっと」とか「実際」とか「まぁ」とか「いわゆる」とかですね。

これらは文章にするときに、すべてとはいいませんが、大部分が削除されています。インタビュー記事にしても、話者の特徴を出すために残される口癖はあるものの、ケバを完全に文章化することはありません。

テープ起こしの種類3:整文

整文とは、録音データをテキスト化するタイミングで、書き言葉としての読みやすさを考慮するテープ起こしです。

ケバ取りよりももっと、不要な部分を削ったり、語尾を整えたりしたテキストが出来上がります。あとは構成を変えたり注釈をつけたり、発言としてマズい部分やオフレコと宣言された箇所を削るだけ。

記事を作成する目的に対しては、後の工数がもっとも削減されたテープ起こしテキストが手に入ります。

テープ起こしを外注するメリット

テープ起こしを外注するメリットは、わたしのように面倒くさいという精神的なストレスを削減することに加えて、人件費の削減や他の業務に集中できるなどのメリットがあります。

1時間の音声をテープ起こしするには、慣れた人でも音声データと同じ1時間程度が必要です。音声の再生速度を1.2〜1.5倍にしますが、不明瞭な音声は何度か聞き直したり、タイピングミスがあればテープを止めて後戻りが発生します。慣れな人であれば、録音データの倍以上もの時間がかかるのです。

いくつものメリットがあるテープ起こしの外注化ですが、やみくもに依頼するのは得策とはいえません。テープ起こしの外注先を選ぶにあたって、その基準を考えてみましょう。

テープ起こしを依頼する相手

テープ起こしの外注先探しテープ起こしの外注先探しは、付き合いのある編集プロダクションに聞いたり、インターネットで検索するのが手取り早いです。音声データとテキストデータの交換はオンラインストレージを利用できるので、自宅や自社の近くに作業者がいる必要はありません。地方だろうが海外だろうが、最良の相手が見つかれば労せず頼むことが可能です。

短い録音データで発注して、クオリティ確認を

納得いくテープ起こしをしてくれそうな外注先をみつけたら、こんな方法をお勧めしています。さほど重要ではない、または急ぎではない、かつ短めの音声データをテープ起こししてもらうことです。つまりリスクの少ない依頼で、相手の力量を探る。お試し依頼、テストのようなものです。満足いく仕事をしてもらえたら、重要なものや緊急の仕事、長い音声データのテープ起こしを依頼するのはいかがでしょう。

テープ起こし外注の費用相場

テープ起こしの種類と外注化のメリットについて紹介しました。ここからは皆さんが一番興味のあるだろう、テープ起こしの費用はどのくらいが妥当なの? について書いていきます。ただしあくまで、一般的なテープ起こし費用相場であって、依頼内容によって増減することはお約束です。

テープ起こしの費用相場は算出方法によって変わる

テープ起こしの費用は、外注先によって算出方法が異なります。代表的な料金算出方法を紹介しますので、どの方法で見積もりを出してきたのかを確認すると納得できるかもしれません。

テープ起こしの見積もり相場、音声データの長さ・録音時間

テープ起こしの見積もり算出で(経験上)一番多いのが、音声データの長さ・時間で決まるパターンです。1分あたり●●●円という目安があって、音声データの時間を掛け算して見積もりが提出されます。音声データの長さによる見積もりについては、『テープ起こし費用の計算方法』という項目で詳しく解説しますので、そちらもご覧ください。

テープ起こしの見積もり相場、文字数・テキスト量

たまにいるのが、テキスト化したときの文字数で見積もりを出してくれる外注先です。1文字につき●円という算出になります。わたしの経験では、1文字あたり0.5円〜が相場のよう。受注側にしてみれば、早口で喋るインタビューイやスピーカーの場合に作業量が多くなるので、文字数あたりで見積もるのが納得感のある料金になるのでしょう。

やたらとひらがな・カタカナでタイピングしてきたり、必要ないのにアルファベット表記してこられると、文字数がカサ増しされてしまうので困り者。1分間に300文字分喋ったとしたら、60分の音声データを文字起こしした場合、1万8,000円という高額になります。もっとも1時間のデータすべてを喋っているということはありませんので、その80%くらいで考えておけば無難でしょう。

テープ起こしの見積もり相場、種類・仕上げ方法

テープ起こしには大きく3つの種類があると紹介しました。聞いたまま、録音されたままテープ起こしする素起こし、相槌や無意味な言葉を削除するケバ取りなどです。この仕上げ方法によって料金が異なります。どこが不要なのかを判断するため、聞こえた言葉をそのままタイピングするより神経を使うわけです。

とはいえ実際の作業工程を考えると、「えーーー」「あーーー」「つまり」「つまり」「要するに」「要するに」などの言葉を文字に起こさない分、楽になると考えられます。いるじゃないですか、やたらと「要するに」を連発しながら、ぜんぜん要約されていない人って。そういう無駄を削減できるため、ケバ取りのほうが素起こしよりも安いことも多々あります。

逆に整文でのテープ起こしを依頼する場合は、素起こしやケバ取りよりも高額です。文末を調整するくらいなら、ケバ取りに10%〜20%の追加料金を支払うことで対応してもらえます。専門的すぎる内容、例えば法廷に提出する書式に整えるなどは、ケバ取りでのテープ起こしよりも倍から3倍の見積もりを提示されるケースも。

テープ起こしの見積もり相場、納期・専門性

仕上げ方法の他に、納期によって追加料金(割引料金)が適応されることもあります。というか、特急料金が設定されていて、「今日ほしい」「明日ほしい」という場合は、確実に割増料金で見積もりが出てきます。

1時間の音声データであれば、3日から一週間、営業日で5日程度が平均的ですが、中1日で納品してもらうとなると、倍額であったり、2割増し、プラス5,000円などのメニューが見積もりに入ってくるでしょう。

逆に納期をゆるく設定すれば、例えば「二週間後でいいですよ」などの依頼であれば、外注先としても空き時間を埋められるわけで、10%〜20%の割引をしてくれることもありました。

その他、法律関係や医学関係、物理学などの超専門的な内容となると割増料金となることが多いです。耳から入った言葉を理解するのに時間がかかるため、聞き直したり調べたりという作業が増えるわけで、まぁ納得できる理由だといえます。内容によりますが、普通の会話(何をもって普通というかは……)と比べたら2倍〜3倍以上となるケースも。

テープ起こし費用の計算方法

テープ起こしの見積もりをもらったときに、それが適正なのかボッタくられているのかもわかりません。大体の目安を持てるように、テープ起こし見積もりの計算方法をひとつ提示します。

テープ起こし作業の見積もりは、ICレコーダーなどの音声データ1分あたりで作業料を決めている場合があります。データの長さによって金額が変動する、純粋な作業量モデルです。専門用語が多かったり、テキスト時にオプションを設定していると単価が上がっていくことは納得できるでしょう。オプションとは、ケバ取りや整文のことです。

また、納期によっては追加料金、特急料金を加算されるケースもあります。「録音したばかりのデータを使って、今日中に記事にしたい」という場合は、作業人員を無理やり用意するため、高額になることも必至。そこまで急ぎであれば、音声を聞きながら記事を書いたり、自分でテープ起こしをする可能性が高いですが。

テープ起こしの見積もり単価相場

見積もりの計算方法として、“1分あたり”という音声データの時間で算出されると書きました。では1分あたりの単価はどのくらいが適正なのでしょうか。1分あたりのテープ起こし単価は、外注先によってかなり変動があります。1分あたりの単価を50円以下で受ける外注先があれば、1分あたり100円〜300円(もしくはそれ以上)を請求する外注先もあるわけです。

1分あたり50円であれば、1時間の音声データは3,000円、300円であれば1万8,000円ということ。ちょっと差がありすぎますよね。そもそも1時間のテープ起こしに2万円近くを支払うのであれば、わたしがバイトでやりたいです。同じ素起こしであれば、外注費を抑えられる業者に依頼するのが人の性。クオリティにどれだけ違いがあるかによって、またそのクオリティの差にどれだけの予算を割けるかによって決めるしかありません。

テープ起こしを外注依頼する際に、知っておきたい専門用語

文字起こしのプロフェッショナル大体の料金がわかったところで、見積もりを依頼するとなったとしましょう。ところが見積書を見ると、見慣れない単語が並んでいて唖然とすることも。どのような仕事や業界によっても、それなりに専門用語があるわけです。テープ起こし界隈で使用される頻度の高い専門用語について、いくつか並べておきましたのでご参考に。

ケバ取り

さんざん解説しましたが改めて。音声データに含まれる、余計な言葉を削除したテープ起こしの形式・仕上げ方法です。口癖、言いよどみ、言い直し、相槌など、または言葉のヒゲ(「あ〜」とか「え〜」ってやつ)は、記事に仕上げる際に不要なテキストです。わざわざテキスト化してもらう必要がないため、ケバ取りでのテープ起こしを依頼すると、納品されるテキストから削除してくれています。

素起こし

ケバ取りよりも後に紹介してみたのですが、一般的にはケバ取りでのテープ起こしを依頼することが多いと思ったからです。素起こしは音声データに録音されている内容を、一言一句違わずに書き起こす仕上げ方法のこと。同じ仕上げ方法に、『丸起こし』『べた起こし』『完全逐語訳』などがありますが、つまりは『一言一句、隅々までテキストにしますよ』ということ。その場の会話を完璧に再現する必要があれば、素起こしでのテープ起こしを依頼することになります。

整文

音声データからケバ取りでテキスト化した後に、書き言葉として文章を整えてくれるのが整文という仕上げ方法です。語尾を敬体・常体の指定したほうに統一してくれますし、省かれていた助詞を追加したり、主語を明記したり、表記を統一させたり、『ら抜き言葉』を正してくれます。リライトに近い状態で納品してくれるため、そのまま書き起こしの記事に使えるのが利点。ただしお値段はお高くなります。

クロマル

●のことを可愛らしく呼称しています。使われる場所は、単語や短文において聞き取りができなかった場合。『私は昨日●●●を食べて、●●を見ていたんだ』のように、大事なところなんですが聞き取れないときに「ここ、わかりませんでした」とサインを残してくれるわけです。この状態で納品された場合は、前後の文脈から推察して埋めるか、話者に確認をして正確な内容に変換する必要があります。

ゲタ

〓のことを見た目の印象で呼称しています。基本的な使い方としては、聞き取ったけれどもテキストがわからないときに配置されるようです。漢字がわからない、スペルがわからないという場合に、「正確な文字を確認してくださいね」というサインを残してくれます。たまに聞き取れなかった部分をゲタで囲むケースもありますが、●にしても〓にしても記号があった場合は、正確な内容を確認するしかありませんね。

テープ起こし・文字起こしの見積もり方法

テープ起こし・文字起こしの見積もりを取る際に、手戻りなく適切な費用を出してもらうために、いくつかポイントがあります。

テープ起こしの見積もり時の提示項目

まずはこちらから、どのようなテープ起こしをお願いしたいかを明確に伝えましょう。依頼時にフォーマットを用意している業者がありますが、フリーフォーマットの場合でも以下の情報は伝えておきたいところ。

音声データの時間

提出する音声データの時間を伝えます。お送りするデータをパソコンで開けば、どのようなソフトを使うかによりますが、大抵は時間を表示してくれます。画像はmacに標準でインストールされている、『QuickTimePlayer』というソフトで音声データを再生した場合。最上部に書いてある『-4:21』というのが、このデータの長さです。

音声データの種類

録音した機械(ICレコーダなど)によって、音声ファイルの保存形式が異なります。テープ起こしを専門に扱っている業者であれば、大抵のファイル形式に対応していますが、念のため『ファイル形式:mp3』などの情報を添えておきましょう。

希望納期

文字起こしされたテキストデータを、いつまでに納品して欲しいかを伝えます。「いますぐ欲しい」という気持ちはわかりますが、現実的な納品時期を知らせましょう。音声データの長さにもよりますが、60分程度のデータであれば、3〜5営業日が無理のない範囲です。中1日に欲しい場合などは、追加料金の有無が見積もりに入ってきます。

仕上げ方法

大分して3つあるテープ起こしの方式について、希望を伝えましょう。ケバ取り、素起こし、整文のどれを希望するのかはマスト。さらに、整文で依頼する場合には、どのように整えて欲しいのかまで正確に伝えておくと齟齬がありません。わたしが伝えるときは、「『〜〜〜●●●〜〜〜■■■■、〜〜▲▲▲。』という発言の場合は、『〜〜〜○○〜、〜〜□□、〜〜〜△△△。』で整えてください」という具体的な指示をお送りしています。参考までに。

納品方法と形式

納品時にデータの受け渡し方とファイル形式を伝えておきます。メールに添付してもらうのか、Facebookなどのメッセンジャーなのか、チャットワークなどのチャットツールなのか、CDに焼いてもらうのか。またファイル形式は、マイクロソフトのword形式なのか(.docなどの拡張子を伝えておくとさらに安心)、Googleドキュメントなのか、テキスト形式なのか(リッチテキストなのかプレーンテキストなのかも伝えましょう)を、明確に指示しましょう。

テープ起こし・文字起こしの外注化を成功させるティップス

テープ起こし、文字起こしを成功させるためにはテープ起こしの依頼方法についてご理解いただいたところで、いくつかのティップスを紹介します。これらを実践することで、間違いのない外注パートナー選び・依頼が一歩近くんじゃないでしょうか。

聞きやすい音源を用意する

当たり前のことですが、できるだけ明瞭な音声データを送りましょう。つまりは録音段階で、話者の声をきちんと拾うこと、雑音が入りにくくすることが大事です。いくらテープ起こしの専門家といえども、入っていない音声を拾うことは不可能ですし、雑音に紛れてしまった音声は聞き取れません。多少は専用機械やソフトで聞きやすく細工をするでしょうが、録音されていないものは聞こえない。また録音されているものを、ないことにはできません。

明瞭な音声データを残すためには、いくつかの簡単な工夫でOKです。ICレコーダーの機能をしっかり理解して、高品質の録音モードを利用したり、シーンセレクト機能がついていたら、最適なモードに切り替える。レコーダーのマイクがどこにあるかを把握して、話者の方に向ける。できるだけレコーダーとインタビューイの距離を近くする。大きな声でハキハキしゃべってもらう(まぁ依頼しにくいですが)。エアコンなどの雑音がひどければ、場所を変えるなり、取材中は止めてもらうことを試みてもいいですね。

聞き取れないな部分の取り決めをしておく

録音時に工夫をしたのに、どうしても聞き取れないケースもあります。不明瞭な音声について、どこまで聞き返してもらうのか、どれだけ調べてもらうのかをあらかじめ取り決めておくとお互いのストレスがなくなります。

聞き取れなかった部分は●(クロマル)を入れてくれますが、同時にタイムスタンプ(データの何分何秒の箇所かを記載する)を入れてもらうことで、自分で聞き返すときに手間を減らせます。数十分あるデータを最初から最後まで聞き返すのは、とてもストレスですからね。

用語集の作成と提供

単発のテープ起こし依頼では対応しかねますが、継続して同ジャンルの発注をするのでしたら、専門用語やよく使われる言葉をまとめて、用語集として提供しておくと便利です。ここでいう専門用語とは、医療や法律、士業関係の資格が必要なものだけではありません。たとえばこのブログで使っているCMSはWordPressですが、一般の人には馴染みがないワードです。CMSという言葉もそうですね。

用語集を渡して、かつ同じ人に継続で担当してもらえれば、文字起こししたテキストの精度が向上しますし、受注者の効率アップもできてWin-Winになると考えられます。最初に一手間かけることで、後の効率が高まる可能性があるのでご検討ください。

不要な音声部分を削除して音源を渡す

コストカットのためにも実践しているのですが、例えば長いトークセッションの音声データを渡すときには、休憩時間やスライドを見せているだけで喋っていない時間、動画などを流している時間については、音声データから削除してしまいましょう。物理的にデータを削除することも可能ですが、それはそれで手間がかかります。

わたしが依頼するときには、「全体で90分のデータですが、25分12秒〜30分55秒部分、68分12秒〜75分12秒部分はテープ起こし不要です」と明記して依頼します。すると、90分のデータではなく、指定した部分を削除した部分のみをテキスト化してくれるのです。作業単価は変わりませんが、分数にしろ文字数にしろ総量が削減されるため、見積もり金額が低く抑えられます。

オススメのテープ起こし外注先

最後に、わたしが依頼をすることの多い文字起こしの依頼先を紹介しておきましょう。付き合いの長い専門業者さんをパートナーとして抱えていますが、スポット的に発生した業務やライトな依頼の場合、クラウドソーシングサービスを利用しています。ランサーズでもクラウドワークスでも好きな方を使ったらいいのですが、わたしはランサーズで良い専門家を見つけたので、彼(彼女?)にしか依頼していません。

ランサーズの場合、このくらいの検索をすると、多数のフリーランスが紹介されます。

なかでも特にオススメなのが、こちらの専門業者さんです。アリエルデザインさんというのですが、精度は100点満点中70点は取ってくれます。価格もリーズナブルで、1時間程度の音声データであれば5,000円程度。特急料金の指定もあるので、急ぎの場合でも依頼できます。

アリエルデザインさんはテープ起こしの専門業者というわけではなく、楽曲制作・BGM制作・マスタリング作業・動画編集や動画制作など、映像や音楽制作の現場で使用する業務用の楽曲やテキスト・デザインを扱っているそうです。楽曲制作で培ったノウハウであったり機材を活用して、テープ起こし分野にも進出した模様。

超専門的な内容でなければ、気軽に頼んでみてもいいかなと思いますよ。現場からは以上です。