ライターに依頼するなら、押さえておくべき8つの基本中の基本

ライターに依頼するなら、押さえておくべき8つの基本中の基本

お仕事をいただく立場の僕がこんなことをいうと、クライアントから干されてしまうかもしれません。でも伝えてしまいたい、声を大にして言ってしまいたいことがあります。ライティングの依頼をくださるのであれば、絶対に決めておいて欲しいことがあるんです。そんなに難しいことではありませんが、ライター依頼と納品までをスムーズにするための8つのポイントをご紹介します。

ライターに原稿を依頼するときに押さえておきたい8つのポイント

ライターに依頼するということは、専門的な文章だったり、クオリティの高い原稿を納品してほしいと思っていますよね。かつ、外注するのですから、効率化をして、極力、自分たちの工数を削減したいはず。上がってくる原稿の精度を上げ、無駄なやり取りを少なくするために、依頼する際に気をつけるポイントがあります。

僭越ながら、ライターに依頼するときに押さえておきたいポイントを8つを紹介させてください。

1. ターゲット
2. 掲載媒体
3. スケジュール
4. 取材の進め方
5. 担当する工程
6. 原稿料
7. 文字数・ページ数
8. トーン&マナー/参考記事

1. ターゲット

まず、誰に向けた記事を作るのかを伝えましょう。同じライターでも、40代の男性に向けた記事を書くのが得意だったり、20代の女性に向けた記事を書くのが得意だったり、その人の仕事の経歴によって様々です。ライターを名乗っているからといって、何でもかんでも書けるとは限りません。

ライターが自分に書けそうな原稿かを判断できるよう、依頼時にターゲットを伝え忘れないようにしましょう。

2. 掲載媒体

ライターによって、掲載する媒体次第で優先順位が変わることがあります。「2週間先まで予定がぎっしり詰まっていて、引き受けることができない」と言われても、掲載媒体がライターにとって魅力的だったら……?

掲載する媒体のブランド力やライターさんの好みに左右されますが、予定を調整してもらえる可能性もあるのです。

3. スケジュール

取材が必要な原稿は、取材をいつ行うのか、原稿の締切はいつなのか、をライターへ伝えます。ライターへは本来の締切日よりも早めのスケジュールを伝えるとよいでしょう。

理由は、なにかトラブルがあったときのためと、Webの原稿は紙と比べ印刷所への入稿がありません。締切を絶対に延ばせない紙媒体はスケジュールを守られやすく、Web媒体は後回しにされがちなのが現状です。スケジュールの舵取りは編集者の手腕が問われます。

また修正がある場合、いつまでに修正指示を出すのかも日時で握っておきましょう。ライターさんはあなたの仕事だけを受けているわけではありません。他の記事の執筆や取材、修正が立て込んでいる場合を想定して、「●日の●時に修正の依頼をするので、●日の●時までに対応してほしい」ということを伝えておくのが得策。

修正については、修正量によっても戻しのタイミングが変わるので、お互いが臨機応変に対応する必要も出てくるでしょう。

4. 取材の進め方

取材が必要な場合は、以下の点を伝えます。

  • 取材の申請・アポ取りは誰が行うのか
  • 誰が撮影するのか
  • 取材先への原稿確認は誰が行うのか

これらを明確にしておくとスムーズです。本来この取材先とのやりとりは編集者の仕事とされています。そのため、トラブルを防止する意味でも、ギャランティも含めて具体的に伝えておくことを忘れないようにしましょう。

5. 担当する工程

取材の進め方にも関連しますが、依頼する内容・工程も伝えておきたいポイントです。取材の有無はもちろん、例えば撮影までお願いしたい、Web上(ストックフォトサイトなどを含む)で写真を選ぶ必要性、グラフや表の作成有無、写真につけるキャプションの有無、Web記事であればCMSへの入稿対応は誰がするか……。

依頼する仕事によって工程は変わります。ライターさんにどの状態で納品して欲しいかから考えて、スキルと報酬から判断し、任せる範囲を明確にしておきましょう。

6. 原稿料

ほとんどのライターが、仕事を引き受けるかどうかを原稿料で判断します。当たり前ですが、会社員で言うところの給料にあたります。お金の話をしないまま先に進めてしまうと、後になって「その原稿料では引き受けられない」と言われてしまうこともあります。

お互いの無駄な時間をなくすためにも、原稿料は何よりも先に伝えましょう。

7. 文字数

ライターに想定している文字数を伝えましょう。もしくはページ数でもかまいません。Web記事の場合は、スクロール次第で1ページをどれだけにでもできるため、想定文字数が妥当です。文字数が分かれば、記事の完成をイメージしやすくなり、納品されてくる原稿の精度も上がります。

合わせて、記事の構成に決まりがある場合は、あらかじめ伝えておくとスムーズです。紙媒体であれば、項目の数と1項目あたりの原稿量、Web媒体であれば見出しの数(hタグがいくつまであるのか)などを明確にしておきたいところ。

文字数(原稿量)を伝える理由は、文字数によって原稿料が変わる場合もあるからです。特に原稿料はトラブルにつながりやすいため、最初の段階でライターとの認識をしっかりと合わせておきましょう。

8. トーン&マナー/参考記事

イメージに近い記事のURLをあらかじめ送っておき、ライターさんに記事のテイスト、雰囲気、トーン&マナー(トンマナ)などのイメージを掴んでもらいましょう。例えば10代の高校生に向けた記事なのに、「である調」で男っぽくカタい文体で書くのは、トンマナに合っていない、と言えます。

ライターに必ず伝える基本まとめ

これら8つが、最低限ライターへ伝えておきたいポイントです。伝えづらいことがあったとしても、明確に伝えて、ぜひ気持ちの良いコミュニケーションを! それが結果的に、質の高い原稿の完成や、無駄な工数を省くことに繋がるのです。素敵なライターとの出会いがありますように。