ここ最近、注目を浴びている家庭用音声AIアシスタント「Google Home」「Amazon Echo」は、自然言語処理という技術を用いて作られています。そこで今回は、この自然言語処理の基礎知識から仕組みについて、そして事例なども解説していきましょう。
自然言語処理とは?細かく丁寧にご紹介!
自然言語処理は、様々な場面で活躍していますが、そもそも「自然言語」とは何か?という基礎知識の部分から説明していきます。
そもそも自然言語とは?
自然言語処理の解説の前に、「自然言語」という言葉の意味を知っている方はどれくらいいるでしょうか? 自然言語とは、人が生活の中で使っている日本語や英語の「言語」のことをいいます。
言語を自然に使っていることから「自然言語」と言われているのです。自然言語以外には、プログラミング言語というものがあり、このプログラミング言語は、コンピューターで使うC言語やJavaなどを示しています。
自然言語処理を理解しよう!
自然言語について理解したら、次は自然言語処理について解説します! 自然言語処理とは、人が日常的に使用している言語をコンピューターに処理させる技術のことをいいます。
この自然言語処理が行われることで、「文章に関するAI開発」や「Web上にある膨大なテキスト」を分析することが可能です。自然言語は、私たちのコミュニケーションツールとして自然に発生している言語ですが、プログラミン言語とは違い、自然言語には曖昧さを含みます。この自然言語に曖昧さが含まれていると、プログラミングでの処理がとても難しいのです。
そのため、今の音声AIでは人間と自然に会話することが難しく、大きな課題にもなっています。
自然言語処理のフローについて解説!
自然言語処理の研究は、とても古くから研究されています。その研究では、決められたフローがあるので、そのフローの仕組みについて紹介していきましょう。
自然言語処理は、以下の手順で行われています。
1. 形態素解析 2. 構文解析 3. 意味解析 4. 文脈解析
以上の4つの手順で行われていますが、自然言語処理をする前に、処理対象となる文章と単語を識別するための辞書が必要です。
それでは、4つの解析について解説していきましょう。
手順1. 形態素解析
形態素解析とは、自然言語を”意味をもつ最小の表現要素の単位に分割する解析”です。日本語は、英語のように単語を繋ぎ合わせた文章でできていないため、元の文章から単語を切り離す必要があります。
例えば、”私は犬が好きだ”を形態素解析をすると、
私(名詞)/ は(助詞)/ 犬(名詞)/ が(助詞)/ 好きだ(形容動詞)
このような処理になります。文を1つの単位として扱うよりも単語を1つの単位として処理することで、意味のある情報を得ることが可能です。
つまり、形態素解析は、自然言語処理で必要不可欠な最初のステップとなります。
手順2. 構文解析
構文解析とは、形態素解析で得られた単語をもとに、文の構造の関係性を明確にする解析です。単語の意味が明確になっていないと、文章の解釈も曖昧になってしまいます。なので、単語の意味が明確になった上で、構文解析を行うと、文の構造の関係性を明確に解析することができるのです。
つまり、文の構造を正しく解析することで正確な処理ができるので、構文解析は非常に重要だと言えるでしょう。
手順3. 意味解析
意味解析とは、単語がもつ意味の関連性を調べ、正しい構文を選択する解析です。手順1と2の形態素解析と構文解析は、インターネットの情報の中にたくさんあるため、それほど難しい分野ではありません。ですが、意味解析は単語から複数の意味を探す必要があるので、とても難しい解析と長年言われている高次の分野です。
例えば、”私は犬が好きだ”という文には、「私」が主語にもなるし「犬」が主語や目的語になることもあります。このように文に含まれている単語には、複数の意味を持っているのです。
文に含まれている単語には、何らかの意味をもち、また文中にある複数の単語の間にも何らかの意味関係が存在しています。
単語と単語を繋げる表現が文の中に存在していても、その表現もとても曖昧です。その曖昧の答えを得るのはとても難しいため、文脈を通して解析する必要があるのです。
手順4. 文脈解析
文脈解析とは、文を1つの単位として、形態素解析と意味解析を行い、文の関係性をまとめる解析です。この解析は、複数の文を通して解析するためとても複雑な作業になります。複雑な作業ですが、複数の文を用いることで、文の関係性の正確さを追求することが可能です。
以上の、1. 形態素解析、2. 構文解析、3. 意味解析、4. 文脈解析の手順について解説しました。
未だに、意味解析と文脈解析には高度な技術を求められているため、AIと人間の間には自然な会話ができていません。ですが、今後意味解析と文脈解析が発達すれば、AIと人間の間で自然な会話ができるようになるでしょう。
自然言語処理の事例を紹介!
では、自然言語処理が実際に活用されている事例をいくつか紹介していきます!
事例1. smartnews
smartnewsとは、新聞や雑誌の記事を無料で見られるスマートフォン用のニュースアプリです。smartnewsは、スマートフォンの小さな画面でも快適にニュースが閲覧できるように、サービスの様々な箇所で自然言語処理を活用しています。
例えば、記事内容や記事タイトルを自然言語処理によって、smartnewsのUIに適した位置で改行される仕様にしたり、海外の記事内容を分析し読者に伝わるような文の構造にしたりしています。
事例2. Siri
Siriとは、画面に話しかけるだけで、メッセージ送信・情報提供・電話をかけるなど、やりたいことや知りたいことを手伝ってくれるアシスタント機能です。
Siriは、音声をテキストベースにし、自然言語処理することで、AIが内容を理解しています。無数の音声データを用いて、統計的な処理を行なっているのです。
自然言語処理×AIなら外注がおすすめ!
自然言語処理は、質の高い技術が求められます。もちろん、企業で技術を身につけさせてもいいかと思いますが、時間がかかるでしょう。
そこで、自然言語処理とAIを組み合わせて何か新しいことに挑戦したい!という企業は、外注をするのもありかと思います。その外注方法をお伝えしていきましょう。
インハウスでAI開発は難しい
そもそも、AI開発は、インハウスでは難しいです。まだまだ最近できた技術が必要なため、対応可能なエンジニアが少なく、自社内の人員だけでAI開発するのはとても難しく、多くの時間を失う可能性があります。
大規模なAI開発は、数年単位で開発していく業務なので、外注して計画を進行させていくのが無難です。
AI開発を行なう受託企業に外注する
AI開発を行うときは、受託企業に外注するのがいいでしょう。受託企業をしている組織には、優秀なエンジニアが揃っている可能性が高いです。また、AI開発に慣れているため進行や問題時でも素早い対応をしてくれます。
クラウドソーシングでpythonを使うAIエンジニアに外注する
受託企業に外注するのに気が進まない場合は、クラウドソーシングがおすすめです。クラウドソーシングは、pythonを使うAIエンジニアが在籍しています。また、契約書や見積書などは受託企業よりもスムーズに進みますし、費用も少し抑えることが可能です。
クラウドソーシングには種類があり、その中でもランサーズがおすすめです。ランサーズは、発注側と受注側の仲介役としてとても安心して活用できます。
契約書や見積書などがスムーズにできますし、問題が起きたとしてもランサーズに相談することが可能です。