助詞の種類や使い方について解説した記事があります。本稿では、助詞の利用を避けたほうがいいケースについて解説します。助詞を使わないほうがいいときは、使用することでふたつ以上の意味にとれてしまう文章です。
助詞によって複数の解釈ができる文章
助詞を使うことで複数の意味にとれてしまう文章とはどのようなものでしょうか。ひとつ例文を挙げてみます。
腹痛で出社できない。
この文章、ふたつの解釈ができることがわかりますか? ひとつは『(1)腹痛のせいで、出社できない。』という意味。もうひとつが『(2)腹痛の状態では、出社できない。』という意味です。
(1)の文章は、お腹が痛くて家を出れない、もしくは通勤途中のコンビニか駅でトイレに籠城している状態を想像してください。腹痛が治るまで待機しているんですね。
(2)の文章は、お腹が痛いが会社に向かうことはできるかもしれませんが、出社したところで仕事にならないので困ってしまう状態。下痢方面の腹痛ではなく、胃がキリキリ痛むとか、気になって仕事が手につかないので出社できませんよーということです。
このように、ひとつの文章なのに、助詞を使ったことで複数の解釈が成り立ってしまう場合があります。ではどのように書き換えたら、本来の伝えたかった意味の文章になるのでしょうか。
助詞を使わないで意味の通る文章に
腹痛で出社できない。
こちらの例文を少し書き換えるだけで、ひとつの意味にとれる文章ができあがります。
(1)腹痛のせいで、出社できない。
(2)腹痛の状態では、出社できない。
(2)の文章は、『腹痛の状態では、出社しても仕事が手につかない。』のようにしたら、より意味が伝わる文章になりますね。
助詞を用いることで複数の意味にとれてしまう場合、表現でカバーするテクニックの紹介でした。現場からは以上です。