上手な文章を書く、文章ダイエット術の第三弾です。本稿で書いていくテクニックは、「短い言い回しと言葉をまとめる」ことでのダイエット術となります。
◎「一文に情報を詰め込みすぎない」ことでの文章ダイエット術
◎「不要な言葉・単語を削除する」ことでの文章ダイエット術
◎「長い文章を分割する」ことでの文章ダイエット術
読める文章に欠かせない『一文一義』を実現するために、不要な言葉を減らして、一文のダイエットをしましょうという考え方です。この「文章ダイエット」シリーズでは、不要な言葉の削り方を具体的テクニックとして紹介してまいります。
意味が伝わるなら、短い言い回しを選ぶ
同じことを伝えるでも、文字数は半分以下にできる
もう少し文章作成に実用的な例を挙げてみます。シチュエーションは、『夜の遅い時間帯』で『道を歩いていた』として
という下手くその表現をしても、『夜の遅い時間帯』で『道を歩いていた』ことは伝わります。同じく以下のように
と書いても、『夜の遅い時間帯』で『道を歩いていた』ことは伝わるわけです。
もうひとつ例文を紹介させてください。
◎クライアントの社長に取材した。
どちらも同じことを伝えていますが、下の例文は長い言い回しを削除しました。「クライアントの社長に『対して』取材『を実施』した」の二重括弧部分が減っている文字ですね。格助詞の『を』トルか残すかは、文章全体のトーンによって変わります。ここでは文字数を減らすという目的のために削除しました。
短くするか、長いままかの分岐点
例えば『ときおり雲に隠れながらも月が煌々と照らす道を歩いた。』の例文において、「月が煌々と」が重要なのであれば、文字数ダイエットのために削除はできません。薄暗い闇夜ではなく、新月なのか満月なのか、それなりの大きさの月が出ていたことを伝える必要があれば、そのまま残せばいいわけです。
逆に、前後の文脈が肝になっていて、ここでは『夜道を歩いた』ことだけが必要なのであれば、不要な表現だと判断できます。月が照っていたことを表記してしまうと、「月夜であったことが重要なのかもしれない」という無駄な憶測にも繋がりかねません。
言い回しを変えて一文を短くする場合、必要性に応じて判断するのが得策です。
同じ意味の言葉は、ひとつにまとめてしまう
重言:重言(じゅうげん、じゅうごん)は、「馬から落馬する」「馬がいななく」のように、同じ意味の語を重ねる日本語の修辞技法。意味を強調したり語調を整えるため[1]、あるいは理解を確実にさせるために用いられる[2]。二重表現、重複表現ともいう。有名な重言としては長嶋茂雄が現役引退時のスピーチで述べた「我が巨人軍は永久に不滅です」がある。
引用:Wikipedia
Wikipediaに載っている長嶋茂雄さんの例、確かにそうですね。彼の場合、重言を指摘するよりも他に、面白おかしい言葉がたくさんあるんですが。
とにかく重言を削除していくだけで、こちらも一文につき数文字が省略できます。すべての文節に重言があるとは思えないので、全体を通しても削除できる文字数はわずかでしょうか。
同じ意味の言葉をまとめてしまう方法については、短い一文を書くというよりも、下手くそな文章に見られないための最低限確認する常識かもしれませんね。
代表的な重言
重言について触れてみたら、いくつか例を思いつきました。楽しくなったので、ちょっとだけ脱線させてください。
頭痛が痛い、筋肉痛が痛い、危険であぶない、はしって逃走した、一番ベスト、まず最初に、かならず必要、最後のラストシーン、日本に来日する、昼食のランチ、今の現状、過信しすぎる、約10,000円程度、水が増水した、はっきりと断定する、いまだに未解決の事件、壮観な眺め、余計な贅肉、返事をかえす、収入がはいった、そもそもの発端、射程距離、時速100km/hの猛スピード
と、キリがないのでここまでにしておきます。誰もが「それ、同じ意味じゃん」とわかるものから、意外と知られていないものまで挙げてみました。調べていけば、まだまだたくさんありそうで、知らず知らずのうちに使っているかもしれませんよ。
短く、まとめて、すっきりした文章に
文章ダイエットのテクニックその3は、短い言い回しと同じ意味の言葉を削るでした。テクニック3を駆使して一文を短くすることが、読める文章作成がさらに進むと思います。現場からは以上です。