自分自身を恥じています。なんと、4月はブログ記事をひとつしか公開していないのです。継続は力なりという誰が言ったかわからないけど、とっても納得できる名言があります。継続できなかった。いやいや、言い訳ではないですが、別に毎日書くとか月に2本以上書きますなんて言ってませんからっ!
ライターの研鑽方法でもっとも有効だと思うのは、やっぱりたくさんの文章を書くことだと思います。だらだらと書くことが力になるとは言いませんが、書かないことには始まらない。
ブログを継続できていないわたしですが、若かりし頃には文章力を身につけるため、文章を書く体力を蓄えるために、継続していたトレーニングがあるのです。本稿ではそのトレーニング方法を、さくっと紹介して5月1本目の記事完成! とします。
文章力アップを求めて、10年間続けた写経
わたしが欠かさずやっていたのは写経です。と言っても、入寺して修行の一環として写経をしたわけではありません。よってわたしの宗派は、法相宗でも天台宗でも真言宗でも禅宗でもないんです。どちらかというと、いや間違いなく無宗派かな。
話を戻して写経のこと。わたしがやっていた写経とは、毎朝の始業前に日経新聞を開いて、記事を完コピすることでした。別に1面でも社会面でも社説でも良いのでしょうが、わたしが選んだのは春秋。日経新聞朝刊の1面最下段に掲載されているコラムのことですね。
別に朝日新聞の天声人語でも、読売新聞の編集手帳でも毎日新聞の余禄でも、群馬が誇る上毛新聞の三山春秋でも、なんでもかまわないとは思います。それでもわたしが選んだのは、日経新聞の春秋でした。
写経は春秋がオススメの理由
もうひとつ日経の春秋がオススメの理由として、その構成にあります。春秋は4つの段落からできていて、起承転結を意識しやすいのです。たとえばこの記事を書いている2018年5月4日の春秋は、
へと展開されます。
奇しくもこの日、メジャーリーガーのイチロー選手が会長付特別補佐に就任=今シーズンは選手としてプレーしない=事実上の引退に近い、というビッグニュースがあったもので、なんともタイミングが良い導入だと関心したものです。4日付の春秋では、もちろんイチロー選手に触れられるわけではなく、監督のサインはどうだったのか、“犠牲”バントをするのか、バットを振り切って“出場停止”になるのか……という落とし方。
どのあたりが起承転結なのかは日経新聞本紙を読んでいただくとして、4つのパラグラフで構成されているのが魅力的でした。
もうひとつ理由を挙げるなら、朝の忙しい時間で写経するにちょうど良い文字数とも考えられます。
朝日新聞の天声人語は600文字程度、読売新聞の編集手帳は480文字程度、毎日新聞の余録は650文字程度、ついでなので記載すると上毛新聞の三山春秋は530文字程度というなかで、日経新聞の春秋は550文字程度です。多すぎず少なすぎず……まぁ550文字にするも600文字を選ぶも“決め”の問題なので、どれでも良いのです。上毛新聞だけは選べませんでしたが。
日経新聞の写経で身についたこと、文章力の上達
- 早起きの習慣になった
- 知らない言葉を覚えた
- 時事ネタを仕入れられた
大雑把にですが、上記の3つの効果があったと言い切れます。もともと小説の類は読む方でしたが、わからない言葉に出会うような高尚な本を読む習慣はありませんでした。ところが春秋だと、ちょこちょこ知らない単語が出てくるんですね。もしかしたら、わたしが無知なだけかもしれませんが。
初めて出会った単語を調べることで、辞書を引くきっかけになり、言葉を覚えることにつながりました。また言い回しのレパートリーが増えたようにも思います。
同時に旬なネタ、ニュースに触れることができました。特にコピーライターとして世の中で起きていることを理解する仕事ですから、とにかく情報を頭に入れるクセ付が大事。日経新聞を隅から隅まで読めば良いのですが、そんな時間がないとき、面倒だからサボろうとするときでも、春秋に書かれている時事ネタを仕入れることができたので、多少は博識になったかもしれません。
というわけで、ライターとして文章力を身に付けたいと思ったときに、新聞のコラムを書き写すというお話でした。わたし自身がそうであるように、その効果について定量化することは難しいと思われます。ただ、千里の道も一歩からと申しますか、何事も小さなことの積み重ねで上達するしかないわけです。
イチロー選手にしても偉大な記録を打ち立てる裏には、並々ならぬ努力があったでしょうから。(才能と言い切ってしまうことは、彼の努力に対して不遜だと承知ですが)天才のイチロー選手でさえも努力をしていたということは、凡人であれば彼以上の努力を、凡人以下のわたしは血の滲むような研鑽が必要なのでしょう。現場からは以上です。