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修飾の順番を正しくすれば、理解できる文章に早変わり

理解に苦しむ文章の原因として、わたしが一番に思い浮かべることがあります。複数の修飾語がある場合で、修飾する順番がばらばらになっているケースです。文章が下手くそな人は、だいたい、もう66.7%くらいの確率で、修飾語の順番がめちゃくちゃだと思っています。つまり修飾する順番さえ間違わなければ、66.7%という高確率で、理解できる文章になるということ。理解しやすい文章の肝ともいえる修飾の順番について、本稿から連載形式でご紹介したいと思います。

どうして修飾の順番がまずいと、理解できない文になるのか

修飾の順番によって、理解できない文ができあがります。と言ったところで、そもそも修飾の順番という言葉の意味がわかりませんよね。

長年にわたり文章を生業にしてきたわたしにとって、本当に重要な意味を持っているのが修飾の順番です。初回の当記事では、「ああ。確かに理解しにくいぞ」と感じていただくことをゴールにしてみます。

ところで、修飾の順番と打つと、どうしても『就職の順番』と変換されて困ります。確かに就職する順番というのも大事かもしれません。

わたしも複数の会社に就職して、ライターとしてさまざまな経験をさせていただきましたので。いつか、ライターとして働き始め、キャリアアップする順番について考えて見ます。今回は『就職』ではなく、『修飾』についてのお話です。どうぞお付き合いください。

こんなに理解しにくい、修飾の順番間違え

修飾の順番が大切だということを理解していただくために、まずは悪文をご紹介します。以下の文を読んだ時、あなたはどのような解釈をするでしょうか。

悪文1
私が友人が家族が親戚が死んだ悲しみにくれる苦しい胸の内を打ち明けられたと聞いた場にいた。

もうひとついってみましょう。

悪文2
私が彼女の弟が友人が隣人が電話で愚痴る内容を書いたお茶を片手に持ちながら顔を合わせる度に語る政治と経済の自論のうっとおしさについて。

もう、いやになりますよね。悪文1であれば、誰が死んで悲しくて打ち明けたのかがわからない。

悪文2であれば、誰が愚痴って自論を展開して電話をして書いたのかわからない。彼女って誰のことか、隣人が弟なのか私なのかも不明です。

ここまで酷い文章には、なかなかお目にかかりませんが、似たような物は頻繁に目撃します。そのたびにゲンナリする。

修飾の順番に気をつければ、理解しやすい文章に

例にした作文を読んでいただければ、悪文によって脳みそを揺さ振られる辛さを理解できたでしょう。

個人的な見解で恐縮ですが、下手くそな文章を読んでいると、自分の書く文章まで下手くそになりそうで悲しくなります。逆に上手な文章を読んでいると、正しい文章作法が頭に残るようで、落ち着いた気持ちになるんです。

そういった意味では、皆さんに失礼な経験をさせたかもしれません。でも、実際にいるんです。修飾の順番を無視したせいで、読み手にあまりに過度なストレスをかける人が。

次回以降、修飾の順番の正しい理解について解説します。例に挙げた悪文のストレスを、少しだけ軽減する修飾の順番の組み替えもする予定です。それまで、もやもやした気持ちで過ごしていただくでも、ご自身で理解できる文章に替えていただくのも良いかもしれません。現場からは以上です。

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