ディープラーニングとは?歴史から仕組みまで丁寧に解説します。ディープラーニングとはどのようにして生まれ、どのような仕組みで動いているのでしょうか。できるだけわかりやすく紹介していきます。
機械学習とディープラーニングの違い
Webの記事を読んでいると、数年前から何度も目にする機械学習。またはディープラーニングという言葉やaiという単語。その違いについて、まずは明確にしてみます。
機械学習とディープラーニングは、比較したり対比させる言葉ではありません。そうそう、ディープラーニングは深層学習という呼び方もあり、どちらも同じ意味であることを付け加えておきます。
機械学習とディープラーニングは、包含関係にある言葉。人工知能に含まれる分析する技術として機械学習があり、機械学習のひとつの技術としてディープラーニングがあるという位置付けです。
「人工知能」が実施する『分析技術』
「分析技術」としての『機械学習』
「機械学習」のひとつの技術として『ディープラーニング』
ディープラーニングの歴史
ディープラーニングはもともと人間の脳をコンピューターで再現するという目的から始まりました。
初めてこの研究に関する発表がされたのが1957年ですが、それ以降2000年代に至るまでブームが発生しては沈静化しを繰り返してきました。
これはコンピューターのスペックが圧倒的に足りなかったこと、そもそも人間の脳の仕組み自体がよくわかっていなかったという理由が挙げられます。
しかし2000年代に入ってコンピューターの物体認識率を競う分野でディープラーニングの技術が発達し、今ではAIに積極的に導入されています。
ディープラーニングの仕組み
ディープラーニングでは膨大なデータを学習し特徴を分類解析することによって、新たに示された問いに対する回答を導き出すことができます。
例えば全世界の果物に関する膨大な画像データをディープラーニングでコンピューターに学習させます。
そして、例えば皮を剥いたリンゴを見せてリンゴと認識できればディープラーニングによって正確な画像の識別ができたということになります。
ディープラーニングが進むとどうなるか
コンピューターのディープラーニングが進めば進むほど、回答の正確性が増します。
これには学習量が重要で、「生のデータ」をいかにたくさん読み込ませるかというところになります。
せっかくディープラーニングを行っても正確性がなければ、AIでの自動化に水を差すことになります。
人間より早く確実で正確でなければ意味がありません。
ディープラーニングの活用例をご紹介!
さて、それではディープラーニングがすでに活用されたプロダクトと、今後我々の世界に何をもたらしてくれるのかをご紹介します。
ディープラーニングで現在実現した技術
ディープラーニングはもともと画像解析の分野が最も得意とされていました。
ですので人物の顔を認識する画像認識部門、白黒の写真をカラーにするなどの画像処理、衛星写真から地図を瞬時に作成するなどの画像製作などはすでに実現しています。
現在最先端の現場では「商品の映像をAIが認識して自動精算するレジの開発」「コールセンターの音声をAIが担当する」「AIによる商品の仕分け・積み下ろし」「不良品の検知」などがディープラーニングを用いて開発されています。
いずれもAIの判断が正確でなければ成り立たないプロダクトです。
現在ディープラーニングを行なったAIが間違った画像を認識することは、全体の5%程度にまで抑えられるようになっています。
人間よりは正確になったと考えて間違いなさそうです。
今後ディープラーニングで実現すること
ディープラーニングがさらに進化すると、より感覚的なこともコンピューターが分析できるようになるとも言われています。
例えば「審美眼」「良質な音楽」「美味しい」「気持ちいい」などをコンピューターが判断できるような未来が訪れるかもしれません。
しかし、ディープラーニングが進んで「感情自体が生まれる」ことについては否定的な見方が主流です。
あくまで膨大なデータを学習分類することで、正確な「判断」が出せるというのがディープラーニングだからです。
ディープラーニングで人の脳を再現できる?
ディープラーニングのそもそものスタートは人間の脳を再現しようという試みでした。その試みは果たして実現に向かっているのでしょうか。
現在ディープラーニングは、脳と同じように多層で情報を識別していくという仕組みまで辿りついています。
ディープラーニングと脳の違い
ディープラーニングと脳にはひとつ決定的な違いがあります。それは脳は関連性がない領域でもリンクさせることができます。
例えば交通事故などで大脳の一部が損傷した場合でも、他の部分が代替することで機能を続けることが可能です。極端な話、事故で目が見えなくなっても別の部分の能力で補う働きが生まれます。
しかしディープラーニングは異なる領域やジャンルをリンクさせることはまだできません。
これまで人の顔の画像認識を行なっていたAIが昆虫の分類をしてくれと言われてもできないのです。
つまりディープラーニングには応用力はないということになります。あくまで定められたテーマの中で正確性を極めていく動きになるのです。
ディープラーニングで人間は作れない
ディープラーニングは膨大なデータを全て分析学習して判断の正確性をあげる技術です。しかし、人間の脳はそこまで正確ではありません。
忘れますし、間違えます。都合の悪いことは書き換えたりもします。
そして、この脳のミスしたり自らを騙す能力をAIで再現するのは不可能と言われていますし、必要がありません。
ディープラーニングで人間は作れませんし、作る意味がないのです。
ディープラーニングを活用したAI開発を委託するのなら?
ディープラーニングを活用したAIを、自社のサービスや商品に取り入れようという流れは強まっています。
とはいえ、AI開発のできるエンジニアは人材不足で自社で採用するのは難しい状況があります。
外注してしまうのが手っ取り早いかもしれません。
AI開発の受託を行なう会社に依頼!
AI開発の受託を行なっている会社は徐々に増えていますが、実績豊富な会社というとまだまだ限られているのが現状です。
「システム開発というと重要なプロジェクトだし、最終的な予算も大きくなるだろうから安心できる会社を選びたい」という担当者の方は多いでしょう。
まずは自社がディープラーニングを活用したAIで何をしたいのか明確にすることが必要です。
もし、それがよくわかっていないということであれば自社の事業でAIをどのように活用できるのかを相談できるコンサル的な会社を選んだ方がいいでしょう。
また、ディープラーニングを活用したAIは、PC上で開発したプログラムが成果物になります。
何かを流通させるわけではないため、必ずしも都心部の会社でなくとも良いでしょう。地方や東南アジアに開発拠点がある会社の場合はコストも抑えられるかもしれません。
遠隔でやり取りする場合、打ち合わせ方法や納期については事前にしっかりすり合わせをしておく必要があります。