コンピューター上、ネット上に格納されるデータはますます膨大になり、データベースとデータベースを管理するエンジニアのニーズは高まる一方です。データベース開発についてご紹介します。
そもそもデータベースとは何か
そもそもデータベースとはデータを格納しているもののことを言うので、古くは紙のデータベースという考え方もありました。ファイリングしている紙資料もデータベースの一種ではあるのです。
しかし現代では以前は紙保管していたようなものもコンピューターやクラウドで保存することが一般的になっています。データベースにコンピューターからアクセスできれば情報を引き出すのが高速かつ正確になります。
データベース管理システムとは?
データベース管理システムとはデータベースを構築、データベースを操作、データベースを保守するためのシステムのことです。
データベースがあり、データベース管理システムがそれを整理し、情報へのスムーズなアクセスを助けると考えればいいでしょう。
SQLとは?
SQLとはデータベース管理システム内で実際データを操作するための言語です。例えば「2017年8月の営業部のAの顧客の一覧を出したい」というような指示は、データベース管理システムに対してSQLで行われるということです。
現在利用されている主要データベースは2種類
データベースの種類はいくつかあります。それぞれデータベースの構築のされ方が異なりますが、現在主流なのは「関係型データベース」と「No SQL」の2種類です。
他に階層型データモデル、ネットワーク型データモデルなどがありますが、カスタマイズのしずらさ、処理速度の遅さなどから最近ではあまり使われていません。
アクセスしやすい関係型データベース
v関係性データベースはエクセルのようなものだと考えれば近いです。どのような検索方法をしてもその検索した条件に応じて正確に情報が引き出されます。
例えばある会社の全国の店舗の売り上げを記録したデータベースがあったとします。例えば新宿店の3月の売り上げを知りたいというときにアクセスすれば分かるわけです。
関係型データベースでは、「2015年の3月に東北地方で最も売り上げがあった店舗を知りたい」といったときにもスムーズにデータを出力することが可能です。つまり検索軸が柔軟なのです。これが一昔前の階層型データモデルやネットワーク型データモデルだと検索軸のバリエーションが少なかったりデータを見つけるのに時間がかかったり、さらに正確さを欠いていたりしました。
関係性データベースは使い道の汎用性があり今最も広く使われています。
処理速度が速いNoSQL
関係型データベースが汎用性があるのに対し、NoSQLの売りはシンプルさです。関係型データベースがエクセルのように様々な検索軸を作れるのに対して、NoSQLは一つのキーワードに対して一つのデータが紐付けされています。そのためデータを抽出する速度が非常に早いです。
ただ、検索軸が多いデータには向いていないため単純なデータに向いています。画像や動画などの格納には非常に相性が良く、ログのような単純な記録にも向いています。データ抽出はできるが削除や更新には向いていません。保存をしたらその後はあまりいじることのないような種類のデータに使うデータベースです。
代表的なデータベース7選
それでは実際に現在使われているデータベースを7つご紹介します。それぞれにメリット・デメリットがありますので、性質を理解して採用するデータベースを決めましょう。
1. Oracle
Oracleは関係型データベースです。メリットとしてはデータベースにたくさんの人が同時にアクセスした場合でも正確なデータの抽出ができる点がまずひとつ。
他に仮に誰かがデータベースに問い合わせ中にデータの更新があったとしても、問い合わせた時点でのデータが反映される点、他にデータベースが堅牢でデータベースの中身を他のツールに移植しやすいという点もメリットです。
デメリットはOracleのデータベース利用料が高い点です。
2. MySQL
MySQLは関係型データベースです。YahooやGoogleでも採用されています。メリットとしてはあらゆるプラットフォームからアクセスするユーザーに対応力があること。
また、webとの相性が良くwebサイトに紐づけるにはスピード、正確性ともに最も相性がいいとされています。またオープンソースのため誰でも利用できます。非商用であれば無償でインストール可能です。
デメリットとしては機能がそれほど多くはないと言われています。しかし、それを補ってあまりあるスピードと使いやすさがあります。
3. Microsoft SQL Server
Microsoft SQL Serverは関係型データベースです。メリットとしては操作性の高さ。他のデータベースと違いマウスで直接操作できます。専門的なプログラミング言語をわからない人にはありがたいデータベースです。他の面では比較的Oracleに近いですが、価格が安いのもメリットです。
デメリットとしてはエンジニアにとってはMicrosoft SQL Serverを操作するSQLが癖が強く感じられる場合があること。またアップデートが多い点などが挙げられます。
4. PostgreSQL
Postgre SQLは関係型データベースです。もともとオープンソースの非商用データベースとして開発されました。最近は様々な企業が商用利用で使用し始めています。
メリットとしてはもともとオープンソースだけあって導入が非常に安価でできること。また他のサードパーティー製の機能を取り込むなどカスタマイズも容易です。速度もMySQLやOrcleに迫るスピードは持っておりコスパがいいと言えます。集計や分析業務への相性がいいのもメリットです。
デメリットとしてはオープンソースなのでセキュリティや開発力自体が疑問視されたことがありました。しかし現在は逆にオープンソースであるがゆえの他のツールの吸収力を生かして非常に高機能なデータベースを実現しています。
5. MongoDB
MongoDBはNoSQLです。メリットとしてはとにかくデータの抽出が早い事。データ自体の格納量が多くてもとにかくデータを見つけ出してくるのは早いです。
デメリットとしてはデータの整合性が高くない点です。検索軸のバリエーションや条件に正確に合致したデータ抽出が必要な場合には向いていないでしょう。
6. DB2
DB2は関係型データベースです。大規模なシステムに向いている、Oracleと同じ程度の歴史を誇ります。メリットとしてはXML機能に優れており、抽出したデータを他のプラットフォームで使うことが容易な点。またデータベース自体の細かい設計がかなり詳細に可能な点。そしてデータベース自体を圧縮できる点が挙げられます。
デメリットとしてはOracleほどではありませんが費用が高い点です。
7. Microsoft Access
Microsoft Accessは関係型データベースです。Microsoft Officeに標準搭載されているため、データベースを知らない方でも名前だけは聞いたことがある可能性が高いです。
いわゆるオフィス内向けにデータを管理するためのツールとして使われることが多いです。メリットとしてはエクセルのような見た目なので初心者でも比較的いじりやすいことです。
デメリットはデータベースが破損しやすいことです。ですのでMicrosoft Accessは商用には向いていません。手軽に利用できるデータベースとして便利ツールのような使い方ができれば理想的です。
データベース開発は外注するという方法もある
データベースエンジニアは即戦力として採用されやすい状況です。つまり人材不足ということになります。採用を自社で行おうとすると長期化するため外注してしまった方が効率が良いです。
受託企業に開発を外注する
開発を外部の受託企業に丸投げするのは一般的な方法です。メリットとしては開発が始まってしまえば社内のリソースを割く必要がないこと。デメリットとしてはコストが高い、案件が開始されるまでに非常に時間がかかる可能性があるといったところです。
クラウドソーシングでプロのデータベースエンジニアに依頼する
クラウドソーシングを使ってフリーランスのデータベースエンジニアに開発を依頼するという方法もあります。この場合、法人に外注するよりは費用が抑えられますし、個人との直接やり取りになるため案件のスピード感もあります。