アトリビューション分析は「間接効果」を調べるものです。大まかに言えば、顧客が最終的に購入ボタンをクリックするまでに何をしたかということをチェックします。どんなメディアに接触したか。どんな経路で商品サイトに辿り着いたか。それらのことを検証し、各広告の効果を評価するための分析方法がアトリビューション分析です。
アトリビューションとは、目に見えない効果をも解析・可視化すること
アトリビューション分析についてもう少し具体的に解説しましょう。最終的な目標である商品の売上の達成に至った、各段階での顧客のWeb上での行動を、リサーチして再評価をする。これを行うことで、販売件数のさらなる向上を望むことができます。
アトリビューションがマーケティングに必要不可欠な理由は？
Web上にはそれこそ星の数ほどの商品があります。その商品を購入するにあたって、何によって購買意欲を刺激されたのかは重要なファクターです。
そして、その販売サイトに至るまでにどのようなメディアを経由したかを知ることも大事です。そういう意味でアトリビューション分析は、販売数を向上させるために必要不可欠ということになります。
一見わかりにくいコンバージョン貢献度を明らかに
アトリビューションでは、主に目に見えにくい事象を扱います。コンバージョン、すなわち商品購入ボタンを押すまでの顧客の行動。これを可視化することで、どの段階で顧客が商品購入の決意をされたかを推し量ることが可能です。
コンバージョンに至るプロセスを可視化することのメリット
商品購入の決意を後押しする段階を明確化することによって、どのメディアに広告の重点を置くかが把握できます。そうすることで、広告・宣伝活動の効率化が図れるでしょう。
アトリビューションでユーザーの動きを把握してさらなる改善を目指す
3PAS（サードパーティーアドサーバー）の登場以来、顧客が商品購入に至るまでの道程の把握が容易になってきました。
第三者配信アドサーバーを利用することで、広告をまとめて管理して効果測定することができます。これにより、より効果的な広告の打ち方が図れるようになってきたと言えるでしょう。
目に見えないユーザーの行動こそが大事
現在、商品購入者の動向は、以前に比べて容易に把握が可能になってきています。ヒートマップの登場などにより、Web上でのユーザーのポインタの動きさえ追跡が可能な時代になりました。コンバージョンにおける広告の効果の重要性は、そのプロセスにあるということがおわかり頂けたでしょうか。
ラストクリックだけが効果の指標ではない具体例
つまり最終的な購入ボタンであるところのラストクリックだけが重要ではないということです。野球に例えてみると理解しやすいと思います。
スコアリングポジションにランナーがいる時のツーベースヒットは、得点に繋がる直接効果のヒットです。しかしそもそも出塁していなければ打点にはなりません。送りバントや犠牲フライなどでランナーを進めることも重要なプロセスです。
要するにアトリビューション分析は、この送りバントや犠牲フライなども正しく評価するということ。「この流れの中の、このポイントが最終的に成功に繋がったのだ」と認識することが大事なのです。
ソーシャルメディアにおけるファーストクリックの重要性
ソーシャルメディアにおいては、ラストクリックよりもファーストクリックのほうが大切だと言われます。すなわちそれは、商品のユーザーへのアピールの成功を意味することだからです。
当該商品にユーザーが興味を示した、という証左になるファーストクリック。ファーストクリックを得たということは、当該商品に興味を持たれたということになるわけです。
それがコンバージョンに至らずとも、ユーザーのそういった行動を評価することで、広告戦略が立てやすくなります。
アトリビューション分析を行う具体的な方法とは？
アトリビューション分析を行うには、まずはコンバージョンに至ったタッチポイントを経過ごとに分類します。「最初」「途中」「最終」の、どのポイントを評価するのか、分析モデルを作成して検討するのです。
5つのアトリビューションモデルについて理解を深めよう
アトリビューションには5つのモデルがあります。
- 「終点モデル」……最後のクリックをコンバージョンの要因とする。
- 「起点モデル」……最初のクリックをコンバージョンの要因とする。
- 「線形モデル」……すべてのクリックを均等に評価する。
- 「接点ベースモデル」……コンバージョンに至った貢献度を最初と中間と最終でそれそれ任意に設定する。
- 「減衰モデル」……コンバージョンに時間的に一番近いタッチポイントを最大に評価する。
どのモデルを評価するのかということは、売りたい商品や広告の種類によって変わってきます。しかし、これらのモデルを現状に当てはめることによって、分析がしやすくなるでしょう。
Googleアナリティクスを導入すれば分析はできるが……
Googleアナリティクスは、対象サイト内にタグを埋め込むことで、訪問者数、閲覧ページ数、滞在時間訪問頻度、検索ワード、経由サイト等、サイト訪問者の動向が把握できるようになります。
すなわち、サイト訪問者の欲求を推し量ることができるわけです。しかし気をつけなければいけないのは、大量のデータを取りすぎて混乱してしまうかもしれないことです。
分析するだけで終わらず、正しい改善方法を導き出そう
サイト訪問者の欲求を正しく把握することで、サイト内の人気コンテンツや、不人気コンテンツを知ることができます。この点をしっかりと分析すれば、正しい改善点が導き出せると思います。
アトリビューションの分析に長けたコンサルタントを探すには？
ここまでご説明してきたことを踏まえて、アトリビューション分析に興味を持たれた人もいるかと思います。しかし、いまいちデータの取り方がわからない。データは取れたけれど、活用方法がわからない……。そのような場合は、アトリビューション分析に長けた専門家とコンタクトを取ることをおすすめします。
プロは分析結果を見て的確なアドバイスをしてくれる
データの分析及び、分析結果からの施策の方向性をプロのコンサルタントにアドバイスしてもらう方法があります。最先端で活躍しているプロフェッショナルは、独自の視点で効果的な施策を提示してくれることでしょう。
フリーランスのコンサルタントに分析を依頼するなら
プロのコンサルタントに分析を依頼するなら、コンサルティングファームを探すのも一つの手段ではあります。しかし専門のコンサルティングファームは依頼料も高額となっています。
予算に余裕がある状況であれば問題ありませんが、中小企業などでは苦しい場合もありますよね。そんな時は、フリーランスのコンサルタントに依頼してみるのも良いのではないでしょうか？