セキュリティエンジニアは、セキュリティを主に担当しているエンジニア。ウイルスやサイバー攻撃、あるいは情報漏洩など、様々な脅威からコンピュータを守る専門家です。
セキュリティエンジニアの価値が上昇中!デジタル時代に欠かせない職業
個人が趣味で使うパソコンでも、最低限のセキュリティ対策は施しているという人が増えてきました。総務省の通信利用動向調査によると、何らかの情報セキュリティ対策を実施している世帯の割合は73.2%。これが企業になると98.9%に跳ね上がります。
参照URL:http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/html/nc252120.html
その数値の影にはセキュリティエンジニアの存在があるのです。
セキュリティ対策をしっかりしないと何が起きる?
セキュリティ対策を行わない場合、どんなことが起きてしまうのでしょうか?
例えばネット接続時に外部から不正アクセスがあったら、様々な被害が起きてしまいます。
パソコンが第三者に乗っ取られたり、遠隔操作されたり、他人に勝手にウイルスメールが送られたり……。セキュリティが甘いと、自分が困るだけではなく、他者にも迷惑をかけてしまうというわけです。
顧客情報の漏洩があれば企業の信頼は失墜する
企業が最も警戒しているのは情報漏洩、特に顧客情報の漏洩です。企業がセキュリティ対策を行う最大の理由がこれであると言っても過言ではないでしょう。
2015年、日本年金機構の年金情報管理システムサーバーが外部からの不正アクセスを受けました。それにより125万件の個人情報が流出してしまうことになってしまったのです。
2014年にベネッセコーポレーションの顧客情報3504万件が流出した際には、取締役二人が引責辞任に追い込まれました。事件の影響で顧客離れが起き、ピーク時には420万人だった会員数が一気に35%減少し、経営赤字に転落。このような事件は定期的に発生しているので、企業は最新の注意を払う必要があるのです。
セキュリティエンジニアは大切なセキュリティを守ってくれる
セキュリティエンジニアは、セキュリティに配慮したシステム設計や構築など、セキュリティに特化した仕事です。大切な情報を守るため、サイバー攻撃やウイルスなどに備え、常に調査や改善を行っています。ファイアウォールポリシーの策定なども大事です。
ファイアウォールポリシーとは、意図しない通信が勝手に行われないよう、アクセス制限をかけることです。不正アクセス防止のためにも、ファイアウォールは正しく導入しましょう。
セキュリティエンジニアの重要性は?主に何に注意している?
セキュリティについての意識が低い人は、自分だけは大丈夫だと考えてしまいがちです。もっとセキュリティを重んじて対策しておかなければなりません。
何かあってからでは遅いのです。
セキュリティホールを発見して対策する
セキュリティホールとはソフトウェアのバグや不具合により、本来意図していない操作ができてしまったりすること。セキュリティホールという言い方は俗語で、脆弱性というのが正しい言葉です。英語ではVulnerabilityで、弱点や弱みという意味になります。システムの脆弱性を診断・発見したり、脆弱性の対策などを行うのもセキュリティエンジニアの仕事です。
シャドーITを制御して情報漏洩の防止に務める
近年、シャドーITが問題となっています。シャドーITとは、企業側が把握していない状況下で、社員が個人所有の端末を業務で使用することです。オンラインストレージサービスの共有設定などを巡っての情報漏洩事件などもありましたので、注意が必要です。
シャドーITを防ぐためには、個人所有の端末の利用に関しては徹底した管理と制御を行うこと。セキュリティエンジニアを中心に、社内でルールを設けることが最も大事なことです。
コンピュータウイルスの感染防止と万が一の時の対応
コンピュータウイルスは、マルウェアと呼ばれる悪意あるソフトウェアなどのことです。
ネットワークを利用して業務を行っているなら、セキュリティエンジニアでなくとも最新の注意を払いたいものですね。コンピュータウイルスに感染しないために必要なことは、まずはウイルス対策ソフトを利用することです。
しかしそれだけでは完全な感染防止はできません。知らない差出人からのメールを不用意に見ないことや、添付ファイルを開けないこと。また、重要なデータを扱う端末で怪しげなサイトを見ないようにすることなども大事です。
しかし、いくら気をつけていても感染してしまう時はあります。万が一感染してしまったら、ウイルス定義ファイルを最新のバージョンに更新し、ウイルスの駆除を試みてください。セキュリティエンジニアは、社員の端末がこのような有様にならないよう、常に気を配ってくれています。
セキュリティエンジニアが気を配るBYOAのリスクとは?
BYOAとは、社員が個人の持ち物であるデバイスで、Webアプリやクラウドサービスを利用することです。この際、何らかの形で仕事のデータを扱って、うっかり流出させてしまったりすることがあります。
個人が愛用のデバイスを仕事で使うことの危険性
前述のシャドーITとBYOAは、行為自体は同じです。企業側が使用を認めているか、いないかの差ということになります。
使用状況の可視化と制御・管理が必要
BYOAなどについては、セキュリティエンジニア云々の前に、企業側がきちんと管理するべきものです。端末とクラウドサービスとの間で通信を可視化することも可能なので、注意を払いましょう。
セキュリティエンジニアに求められているものは
セキュリティエンジニアは、クライアントのセキュリティシステムの企画・提案から行うこともあります。
その後、セキュリティに配慮したシステム設計、構築を行います。アプリケーションの脆弱性を発見するための診断テスト、対策なども手間のかかる作業です。
セキュリティシステム導入後の運用・保守を行い、常に障害やウイルス感染、サイバー攻撃などに備えなければなりません。そしてトラブルの際には、何よりも早急に対処するスキルが必要とされます。
フリーランスのセキュリティエンジニアに脆弱性診断をしてもらおう
専門のセキュリティエンジニアがいない企業などは「うちのシステム大丈夫……?」と思うことも多いはずです。そんな時は、フリーランスのセキュリティエンジニアに仕事を依頼してみてはいかがでしょうか?
社内ネットワークのセキュリティホールをチェックする
ネットワーク機器やシステム、サーバー、アプリケーションなどの脆弱性診断をプロにしてもらいましょう。脆弱性に対応したアップデートが追いついていない場合、きちんと適用し、最適な状態を構築してもらうのです。ファイアウォールのセキュリティ診断やポリシー設定の検査なども頼むことができます。
フリーランスのエンジニアなら素早い対応も望める
急いでセキュリティ対策を行う必要がある場合は、フリーランスのセキュリティエンジニアに作業を依頼すると良いでしょう。フリーランスであれば、柔軟な対応が期待できます。