確定申告に「白色申告」っていうのがあるのは聞いたことがあるけど、それってどういうこと？ と思っている方は多いのでは。白色申告のメリットやデメリット、青色申告への切り替え方を知った上で、自分に合った方法を選びましょう。
確定申告には白色申告と青色申告がある！
フリーランスは、年間の事業所得が38万円を超える場合は、必ず確定申告をしなければならないと定められています。毎年2月中旬から3月中旬が確定申告の時期ですが、確定申告には白色申告と青色申告の2種類あることはご存知ですか？
青色申告とは、複式簿記という方法に基づいて帳簿を作り、記帳から所得税等を申告すること。それに対して白色申告は、青色申告よりも事務負担が少ない方法で経費を計算し、金額を元にして申告を行う方法です。
日々の事務量がまったく違ってくるため、青色申告には適用されるけれど白色申告には適用されない項目も発生します。自分にはどちらが合っているのかをよく見極めたいですね。
白色申告のメリットにはどんなものがある？
白色申告は青色申告に比べて日々の業務が簡素化されています。青色申告では複式簿記で記帳しなければなりませんが、白色申告は簡易簿記での記帳が認められています。
これまでに経理経験がまったくない人、副業で収入を得ていて、収入が少ない方は、最初は白色申告で確定申告を行なうという方法もあります。また、青色申告をするには、定められた期限内に税務署に書類を提出する必要があります。ですが白色申告の場合は、事前申請の必要はありません。
ただし、以前は事業所得が300万円未満の白色申告者については記帳の義務がありませんでしたが、これが2014年1月から変更になり、現在はすべての白色申告者に記帳義務・帳簿保存義務が発生しています。
白色申告の大きいメリットがなくなってしまったため、最近は最初から青色申告にチャレンジする人も増えているようです。
反対に、白色申告のデメリットには何がある？
それでは、白色申告のデメリットとは何でしょうか？ まず真っ先に挙げられるのは、青色申告には適用される特別控除がないことです。
ただ、これは事務処理が簡素なことと関係していますので、白色申告を選ぶのであれば受け入れなければならないデメリット。特別控除がないということは、青色申告よりも節税に適さないということになります。
また、赤字の繰越ができないのも大きなポイント。青色申告の場合は、赤字を向こう3年以内の所得と相殺することができますが、白色申告では認められないのです。
さらに、生計を一にしている親族が業務に従事している場合でも、給与を経費として計上することはできません。こちらも、青色申告を行なう場合は計上が可能ですが、白色申告では対象外となります。日々の作業が簡単な代わりに、白色申告では認められないものも多いということですね。
それでも白色申告にするときのポイントは？
青色申告と比べて、白色申告を選ぶメリットは、以前より少なくなりました。それを知った上でなお白色申告にするのであれば、記帳の際は以下の点に注意しましょう。
まずは、記帳するときには1日単位の記入でかまいません。青色申告は個々の取引ごとに記帳しなければならないと定められていますが、簡易簿記を採用している白色申告では、1日の収入と支出は合計金額を記帳するだけでOKです。
また、どういった帳簿を使うかなどの決まりはありません。エクセルでその日の収支を入力していってもいいですし、やよいの白色申告などのソフトを使ってもいいでしょう。
白色申告で何よりも大事なのは、お金の流れが1日単位でわかることです。「家計簿をつけるように記帳する」というとイメージが湧きやすいかもしれませんね。
青色申告に切り替えたくなったらどうする？
白色申告で何年か確定申告をしてみて、「これなら青色申告でもできそうかな」と感じたら、ぜひ青色申告に切り替えましょう。前述したとおり、白色申告とは控除額が桁違いですし、さまざまなメリットを享受することができます。
青色申告をするためには、本来は開業日から2ヶ月以内に、税務署に「青色申告承認申請書」と「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出しなければなりません。途中で切り替える場合は、申告書を提出する前の年の3月15日までに、この2つの書類を税務署に提出します。
たとえば現時点で白色申告をしている人が青色申告に切り替えようとした場合は、3月15日を過ぎてしまっていれば、青色申告ができるのは翌年からということになります。
年度の途中で切り替えることはできません。確定申告は、最初は得体の知れないモンスターのように思えるかもしれませんが、徐々に仲良くなっていけば大丈夫。白色申告でも青色申告でも、自分の仕事の総決算です。気持ちよく確定申告に臨みたいですね。