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手間暇を最小限に、有効なアマチュアライターを選ぶ方法

アマチュアライターの選び方

クラウドソーシング活用について書いたら、「もっと簡単な方法を教えろ」とか、「質は重視しない(アマチュアでいい)から、時間をかけずに集めたい」などの声をいただきました。そんなに難しいことじゃないし、ggrksとか暴言を吐きたくもなるんですが、せっかくなので書いてみます。

読者目線の情報が必要な場合や低予算の際に、アマチュアレベルのライターを募るケースがあるんでしょうね。でもアマチュアだからといって、極端にレベルを下げるのもどうかと思います。アマチュアの感覚を持ったプロライターを探すとなると、それはそれはハードルが上がります。ど素人とプロの中間(それをアマチュアという?)を見つけるために。妥協せずに最適なアマチュアライターを探す方法について書いてみました。

読者とライターと自社の関係性を混乱しないことから考える

応募者の中から、良い人材を選び出す際のポイントは何でしょうか。その基準は明確になっていますか?

A:協調性や、向上心など、共同作業するにふさわしい人物像

共に働く上で、円滑にコミュニケーションのとれる人材と定義しましょう。継続して仕事を頼みたくなる存在であり、パートナーとしての人物重視の選び方です。

B:読者に好まれる文章が書けるライター像
ライターの書いた文章が、自社メディアの中で読者にどれぐらい高評価を得られる技術を持っているのかという、ライターとしての技術・才能を重視した選び方です。

求めるライター像について、上記の2点は最低限必要な基準でしょう。では次の項目で、後者の「技術・才能面を重視したライターの選び方」を考えてみます。

ライターの実力を、応募のメールで把握できているのか?

プロフェッショナルのライターと契約交渉をする場合、複数回のやり取りで条件を決めていきます。しかし今回は単発の依頼であったり、プロより一歩劣るライターで構わないという条件です。であれば、できるだけ手間暇をかけずに、できればメールなどの応募文章からさくっと判断したいところ。応募条件に何らかの文章を必須としますよね。「あなたの自己紹介と、ライティング経験を書いて応募してください」みたいな依頼です。

けっこう忘れがちなのですが、募集内容は詳細なのに、ライター自身への情報要求が簡素になっているケースが多いです。ポートフォリオとしてライティング実績を見せてもらえば、ライターがライターを選ぶのは難しくありません。でもアマチュア相手で、ポートフォリオがない場合、何を基準に選べばいいのでしょうか。

おすすめしたいのは、応募者に「リクエスト」すること。あまり難しい課題を与えてしまうと、ハードルが上がり応募自体が減ってしまいます。最低限の文章力が判断できれば、簡単な文章作成でかまわないのです。

「自己紹介を次の条件で、自由に書いて応募してください。(1)自分を25文字でアピールすること。(2)5行で表現すること。このくらいでかまいません。次に、提出してもらった文章をどのように判断するのか。

これは各社で判断基準があると思いますが、簡単なところでは以下の3つでいかがでしょうか。

1.まとめる能力
2.言葉遣いと文字表現
3.謙遜ができる人かどうか

「まとめる能力」はライターに関連しますが、2と3は企業の採用面接みたいですね。でも重要なポイントだと思うんです。私は常々、師匠であるライターから「ノンキャリアの見極めは、素直さの有無」と言い聞かされています。

以下にて、3つの見極めポイントを解説していきましょう。

まとめる能力の判断について

自己紹介に2つの制限を設けたことにポイントです。キュレーションサイトなどでも、「見出し」「小見出し」を書く必要があり、仮にブログ記事を書かせるケースにおいても、「文節」「改行」を上手に使わない文章は、見ているだけで息が詰まります。

つまり、読み手に強いストレスを与えてしまう悪文ということ。書こうとする内容の説明や導入が上手かどうかは、つぶやき程度の文章でも必要ですし、判断ができると考えています。自由に自己紹介を書いてもらう課題なら、まとめる力や言葉選びや文章のセンスが手に取るように見えてきますし、25文字という制限が判断をより容易にしてくれるのです。

そして5行のPR。本来なら200文字などと制限も設けたいところですが、応募するのを嫌がられてしまうことを考慮して、かつ選考者の負担を考慮して5行としています。5つの行でPRする中でも、「今回、こんな自分にも書けるのであればぜひやってみたいと思い応募いたしました」など、自己PRにならない前置きで、大切な1行を使ってしまう人も存在しますよね。貴重な5行を活かして自己表現できるか否か。重要なライター選びの基準になります。

ライターの言葉遣いと文字表現について

プロフィールや応募メール文面が、会話口調であるケースに遭遇したことはありますか? 私はちょくちょくあるんです。「私は○○なんかも経験してきて」「○○してます」というニュアンスも該当します。友達じゃないんですから、ある程度のTPOをわきまえる力(力というのもおこがましい)はわきまえておいてもらいたいところ。

文章は人格や人柄を表すと教わってきたので、乱暴な言葉であったり、状況を判断できない人が応募くださった場合、どんなに実績が豊かでも遠慮させていただいてます。

A:読んでいて親近感を感じる語りかけの表現方法。(記事に書いてほしいイメージ)
B:自然と会話口調になってしまう文章表現。(アマチュアに見られる表現)
両者は決してイコールではありません。このあたりは、商業文章きちんと教わっていなかったり、そもそもコミュニケーション能力が低いライターさんに見受けられます。

また、Aのような文章を読みなれた応募者の多くは、語彙が簡単だからと「自分にも書けそうだ」と思いこんでいる可能性もあります。違いますよね。Aのような文章は、丁寧な言葉を使える人が読み手に配慮するから書けるはず。この違い、感覚を持っていない人は、このままではライターとして大成しないかもしれません。応募者が読み慣れている文章や記事までが、透けて見えてくるから面白いものです。

ちょっと脱線しますが、営業を受けたときに近しい感覚になることがあります。商品説明をする際に、やたらと聞きなれない言葉や専門用語を連発されるケース。ちょっとはこっちの表情から判断してください! とか思ってしまう。求められる話のテクニックは、聞き手が知らない専門用語を連発せず、上手に説明できるかがポイントです。適当な知識で人へ伝えることは不可能で、理解した上で相手に対して配慮有る説明のできる人が、優れた営業パーソンだと思うんです。

丁寧に分かり易さを考えて文章を書くことのできる人こそ、「くだけた文章で書いてください」という指示通りに通用する記事が書けるのと同じですね。

謙遜ができるライターかどうかを探る

日常の様々な人との会話の中で、知らない情報を人から教えてもらう際、聴いていてカチンとくることはありませんか。

知ったかぶりをする
明らかに上からものを言う

これはWebサイトやメディアにおいても同様です。自分と同じ主婦、学生、会社員のような立場の人が書いた記事を読む場合、読者はライターを自分に近い存在とみなして読み始めます。リラックスした状態の時こそ、読み手の気持ちは意外と厳しくなる。特に女性は敏感で、精読率にも大きく影響してくるというデータがあります。

そこで、文面に謙遜が表れる文章が好まれることになる。これは1つ前に書いた「文章表現が上手な人」と強く関連します。情報を書く際に、読み手に好まれる文章であるかどうかを同時進行で考えて書くことのできる人は理想的です。

応募のリクエストに書いてもらうのは自己PRであり、その5行の中で、自分の強み・魅力を書きながらも、それを謙遜して伝えられるかを、基準づくりの参考にしてみてください。5行の中に輝かしいキャリアが5つ書かれているよりも、文章に表れる応募者の人柄が良いと感じられるかどうか。後者を選んで採用する方が、読者に愛される記事を書いてもらえると思いませんか。実に日本人的な発送ですが、人選のポイントとしては持っておきたいものです。

話の引き出しの多い人は、接していて楽しいと感じる

読者に喜ばれるライター選びのコツは、「話していて楽しい人の存在」にとても似ています。話の引き出しの多い人を見つけ出せば良いということ。25文字と5行の条件範囲内で、自分を言い表す言葉が見つからない人は、要らない言葉が増えてきます。

一方で、伝えたいことが湧き出るような人は、いかに縮めてそれらを伝えようかと、文章の構成に努力をするでしょう。応募者の葛藤は、気にかけて読むとわかってくるもの。同じ5行の条件で、どれだけ興味深い自己紹介が書ける人なのかは文章力や思考力の見極めポイント。

会話口調の文章は好ましくないが、自己紹介の文面から良い印象の人物像が見えたとき、「どんな人だろう、会ってみたい」と感じることがあります。そんなライターに記事を書いてもらうと、読者も同様に喜ぶ結果につながるでしょう。そして、そのようなライターは、高い確率でクライアントとの関係性も大切に考える人材であることが多いと考えられます。

最後に

フリーランスのライターを活用することになると、会社とフリーランスの関係性の問題に直面します。そのため、選ぶ基準は自社とライターとの関係性を重視しがちです。

でも元ただせば、サイトを充実させる為に雇うのがフリーランスのライターですよね。正社員なり、雇用契約を結んで採用するわけではありません。良いライター探しのポイントは、「良い文章が書けるライター」に重点をおいて考える方法をまとめてみました。社員としてのライターではなく、効果的なアウトプットを提出してくれる、心強い外部パートナーライターの探し方です。

冒頭にあげた2つのポイント、
A「協調性や、向上心など、共同作業するにふさわしい人物像」
B「読者に好まれる文章が書けるライター像」
どちらを重視して人選を始めても、良い人というのは両方を兼ね備えているもの。ただし応募メールで読み取れるのは、その人の文章のクセの方がつかみやすいです。1度きりの執筆で関係性がなくなる相手でも、妥協することなく選ぶことが大切だと思っています。素敵なライターとの出会いがありますように。

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