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クラウドソーシングを上手に活用するための、依頼の方法5つのコツ

クラウドソーシングでライターを探す方法

社内のディレクターや外部の人から、「クラウドソーシングを上手に使ってるみたいだけど、どうやったらいいの?」と聞かれることが増えました。いつも答えは「まぁ、うまくいくかどうかは使い方と使い所じゃないですかね」なんて伝えているのですが。なんども質問されて大変なので、こちらにティップスを書いてみました。

クラウドソーシングで仕事を発注する際に追求するのは、納品物の品質。ところが、さまざまな工夫をしながら発注しているにも関わらず、仕上がりのレベルが低く修正に大幅な手間がかかることも。どうすれば高い品質を維持できるのか、クラウドソーシング依頼の5つのコツをご紹介します。

クラウドソーシングで発注したら品質が低かった…はなぜ起こる?

顧客ニーズが多様化しビジネス環境は変化の目まぐるしい時代。スピーディに対応するための選択肢として、クラウドソーシングを活用してデザインや記事作成、プログラミングを依頼する企業が増えました。しかし、いざ仕事を発注してみると納品された制作物の品質が想定よりも低く、修正作業に労力がかかってしまったり、ときには新たに別の依頼を立ち上げ、1から作り直すコストが大幅に必要になったり……という話を時折耳にします。

こういった事態が起きる理由の1つが“発注の仕方”です。
今回はクラウドソーシングで仕事を発注する際の5つのコツを紹介します。想像通りの品質、あるいは想像を超えるほどの品質を維持するためにぜひ参考にしてください。

依頼文面文面こそが命

クラウドソーシングの一番のメリットは、インターネット上でやりとりが完結することです。仕事の依頼から仕上がりのチェック、細かなコミュニケーションのすべてをメールやメッセージで行うのが一般的です。しかしながら、インターネット上でのコミュニケーションは、無機質なやりとりになってしまいがちです。
そこで、クラウドソーシングのメリットを活かすのに最も重要なのが、文面です。

対面での打ち合わせであれば相手の表情を読み取って話し方を工夫できますが、文字だけのやりとりではそれができません。どうすれば円滑に話を進められるのか。
「相手を気遣って文章を書くこと」に尽きます。シンプルだからこそ、大事にしましょう。

発注側からの連絡は大きく分けて以下の3つです。
・仕事の募集、発注
・質問や疑問への回答
・納品物に対しての修正依頼
これらの連絡をするとき、発注側からの意図や希望のみを伝えるだけの無味乾燥な文面になっていませんか? 相手を気遣う具体例を以下に挙げます。

・相手の名前、挨拶文は必須
○○様お世話になっております、という一文はビジネスマナーの基本。相手が主婦や大学生であってもきちんと挨拶文を入れることが常識です。

・相手の立場に立つ
 
「添付ファイルが確認できない場合はご連絡ください」
「スケジュールをご了承いただき感謝します」
「忙しいなか素早いお返事ありがとうございます」
これらはいずれも、相手の立場に立つことで生まれる言葉です。相手への気遣いを、言葉にして伝えることの重要性を理解しておきましょう。

マナーとしての挨拶文を忘れず、相手を配慮したメッセージを添えることは、仕上がりの品質を高める下地作りと言えます。礼儀と配慮がなければ信頼関係を築くことはできません。

求める品質や意図を明文化する

2つ目は、希望している品質と制作の意図を相手に明確に伝えることです。具体的に例を挙げます。

◇デザイン制作依頼の例
A:このサイトを参考にかっこいい感じでデザインしてください。
B:ユーザーに与える印象は柔らかさと高い課題解決力の2点。シンプルな中にもサイトの個性がキラリと光る感じでデザインしてください。

◇ライティング依頼の例
A:3000文字程度でできる限り詳しく書いてください。目的は商品販売です。
B:ターゲットは美容に興味のある30代前半の女性。ページの目的は最終的に紹介するサプリメントに興味を持ってもらうことですが、キーワードに対する疑問をページの冒頭できちんと解決してあげる内容にしてください。

どちらの例でも、AよりBの方がよりわかりやすい依頼です。もし、品質や制作の意図について言葉で表現しづらいと感じる場合は、発注内容が定まっていない可能性があります。発注内容が定まっていないものは制作物の品質に影響します。そのため、目的・企画・ターゲット・方向性など改めて発注内容を深堀りする必要があります。

さらに1つ気を付けておきたいポイントは、形容詞の使い方です。かっこいい、かわいい、おもしろいといった形容詞は、人それぞれ解釈が千差万別なので「かっこいいデザイン」で発注すると発注側の思い描くものとは大きく違うものが納品されることも十分にありえます。形容詞を別の言葉で言い換えれば、このような認識のズレは解決できるでしょう。

◎かっこいいとは何か?⇒モノトーン、余白多め、ブランドで言うと○○etc.
◎かわいいとは何か?⇒尖がった姫系、30代40代女性でも違和感を覚えない大人カワイイ系etc.

形容詞は雰囲気を表す便利な言葉ですが、あいまいな発注はリスクを伴います。品質を維持するためには、発注側と受注側の認識を合致させることが不可欠です。

報酬金額を吟味する

報酬金額を吟味し依頼時に明記することも大切です。そもそも報酬金額をどう設定するか悩むこともありますが、これほどクラウドソーシングが普及している現在では、検索をかけるだけでおおよその相場が分かります。

相場とあまりにかけ離れた安い金額では誰も応募してくれません。一方で高すぎた場合には数時間で膨大な応募を受けることになり、どの応募者を採用すべきか確認作業に追われることもあります。

また、依頼時には相場が分からないというケースもあります。その場合、金額を明記しないというのも1つの選択肢ではありますが、支払われる報酬がわからないことには応募しづらいというのがフリーランス側の本音。店頭でアルバイト募集の張り紙があっても時給が書いていなければ応募しづらいのと同じです。

相場を加味した報酬金額の設定は、希望通りの制作物を仕上げてくれるフリーランスに出会うためには手間を惜しんではいけないポイントです。

「ありがとう」「ごめんなさい」が重要

感謝と謝罪はコミュニケーションの基本です。クラウドソーシングも、人と人の付き合いに変わりはありません。助けてくれたらありがとう、間違ったことをしたらごめんなさいという気持ちを文字で示しましょう。

顔を合わせての付き合いも同様ですが、仕事のやりとりが長くなってくると情が湧いてくるものです。情が湧くと、人は相手のために精一杯努力をするようになり、結果的には納品物がより良い仕上がりになります。

少しでも早くこのような関係になるためには、「ありがとう」と「ごめんなさい」が重要です。

私事ですが1つエピソードを。

私はWebプロデューサー(発注側)とライター(受注側)の両方の立場を経験しています。ライターとして長くお世話になっている担当の方は、私が納品した制作物へ修正依頼する際は必ず「弊社の都合で大変申し訳ないのですがご修正いただけますか」とメールが入ります。どんな修正内容であっても「弊社の都合で修正を」で一貫しています。

「うちの都合でごめんね、修正お願いできるかな?」「1日早く納品してくれてとても助かりました、ありがとう!」

そう言われると受注側はとても気持ち良く仕事に取り掛かることができ、その結果制作物にも良い影響を与えるのです。

相手を“信じるけれども任せっぱなしにしない”

デザイナーやライターを信じることは大切ですが、納期や進捗の確認を忘れないようにします。任せっぱなしはいけません。

たとえば、設定された締め切り日の正午を過ぎても連絡がない場合には一言「その後進捗はいかがですか?」と声をかけましょう。作業に行き詰まっていることもありますし、他の仕事との兼ね合いでスケジュールが押しているかもしれません。

一方で、確認を頻繁に入れてしまうと相手は「信頼されていないのか」と不安や不快感を覚え、仕事にも悪影響を及ぼしてしまうこともありえます。

信じることと確認すること、この2つをバランス良く駆使しましょう。制作物の仕上がりを左右するだけでなく、万が一の納期遅れを回避するリスクヘッジにもなります。

上手なクラウドソーシング依頼で求める成果を

クラウドソーシングで仕事を発注しフリーランスと出会うことは、理想の恋人と出会うことに似ています。相性のいい相手に出会うと、驚くほどスムーズに意思疎通できます。そして制作物はいわば“デート”。良いデートをするために相手の好みや話題のスポットをリサーチするといった準備、相手を気遣う礼儀などを忘れてはいけませんね。

はじめのうちは慣れるまで少し時間がかかるかもしれませんが、今回ご紹介した5つのコツを参考にしていただければきっと、高い品質を維持できるはずです。素敵なフリーランスとの出会いがありますように。

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